シュプリンガー・ネイチャー、トランスジェンダー包括的な氏名変更方針を導入
2021年6月29日
シュプリンガー・ネイチャーは、トランスジェンダーの学者などが、出版物に記載された自身の氏名の更新ができる氏名変更方針を導入する
ロンドン|ニューヨーク|ベルリン 2021年6月29日
シュプリンガー・ネイチャーは本日、包括的な著者名変更方針[1]を導入することを発表します。この方針の導入により、トランスジェンダー著者やリスクを抱える著者[2]は、シュプリンガー・ネイチャーのすべてのジャーナルと書籍、会議録に掲載された論文の最終公開版(VOR;Version of Record)と、関連するメタデータに記載された自身の氏名をさかのぼって更新することができるようになります。
トランスジェンダーの著者が自身の出版記録を修正しようとすると、非常に公開性の高いプロセスに長期間向き合わなければならないことが多々あります。そしてこの多くは、私生活や職業上のリスクを伴うものです。シュプリンガー・ネイチャーでは、トランスジェンダーの著者に対して、記録の修正を、非公開かつ安全に行うためのツールとサポートを提供することで、上記の著者の課題を取り除くとともに、学術コミュニティー全体に浸透している障壁を解消する必要性について、さらなる普及を目指します。
シュプリンガー・ネイチャーのEd Gerstner(エド・ガーストナー), Director Journals, Policy and Strategyは、本方針について次のように述べています。
「私たちは出版社として、学術コミュニティーが、安全でサポートされていると感じられる方法を一緒に見いだす義務があります。研究者たちの研究成果の創出と出版においてのみならず、科学と社会の発展に貢献してきた研究者たちの学術研究全体が、正しく評価され、認識されるようにすることも重要です。
私たちは、このような課題に対処し、変革を実現するための一歩を踏み出すうえで、積極的な役割を果たすことを誇りに思っています。しかし、成し遂げなければならないことはまだ残っています。私たちは、引き続き学術コミュニティーと協力して達成すべき水準を高くするとともに、当社内や我々の出版物などの活動を通じて、多様性・公平性・包括性(Diversity, Equity, Inclusion;DE&I)をサポートし、奨励することをお約束します」
本方針では、氏名の変更を目的とするものです。
- 網羅的:関連するすべての検索システム、ならび最終公開版(VOR)と関連するメタデータ全体を対象とします。
- 非公開:論文著者の氏名が修正されたことを読者が気付かないようにします(氏名の変更を非公開で実施するか、変更を通知するかどうかは、論文著者が選択できます)。
- 包括性:さまざまな理由による氏名変更を認めます(おもにトランスジェンダーの研究者のニーズを満たすことを目的としていますが、宗教上の理由などによる変更も認めます)。
- カスケード方式:アブストラクトやインデックスの掲載されているウェブサイトの変更に関して著者に不要な負担を与えず、変更は順次更新されます。
本方針の一環として、著者の人称代名詞や著者の写真などの経歴の情報は、必要に応じて変更を反映して修正します。
シュプリンガー・ネイチャーは、本方針を、当社のすべての学術ジャーナルと雑誌、会議録、書籍を対象に適用します。当社は、DE&Iをサポートするとともに、学術コミュニティーとの協力のもと、このサポートを通じて、学術研究における公平性と包括性の文化をさらに強化・推進することをお約束します。本方針は、その公約の一部を構成するものです。
編集者のための注記:
シュプリンガー・ネイチャーは、「Publishers Association’s 10 point Inclusivity Action Plan」と「Charta der Vielfalt」(ドイツ多様性憲章)に調印しています。またStonewall Diversity Championを務め、「Valuable 500」に加盟しています。
[1] 本方針は、各インプリントサイトのポリシーページに含まれます。
[2] 本方針は、おもにトランスジェンダーの学者のニーズを満たすことを目的として氏名変更を認めるものです。ただし、それ以外にも宗教上の理由や国内事情を理由として攻撃されるリスクや危険に晒されるリスクを抱えている論文著者もサポートの対象とする包括的な方針とします。
シュプリンガー・ネイチャーについて
シュプリンガー・ネイチャーは、175年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガー・ネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャー・ポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
本件に関するお問い合わせ
宮﨑 亜矢子
シュプリンガー・ネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
Tel: +81 (0)3 4533 8204
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。