Press release

シュプリンガーネイチャー、全てのジャーナルおよび書籍のデータポリシーを統一し、データ共有を容易に

2023年3月23日

シュプリンガーネイチャーは、全ての研究成果において統一されたデータポリシーを導入することで、横断的にオープンリサーチを支援し、オープンサイエンスへのコミットメントを続けます。

ロンドン|ニューヨーク|ベルリン

シュプリンガーネイチャーは、そのジャーナルポートフォリオ全体にデータ・アベイラビリティー・ステートメント(DAS:Data Availability Statement)を必ず取り入れるとともに、書籍ポートフォリオの全てを対象とした統一されたデータポリシーを初めて採用することにより、オープンサイエンスに対する取り組みをさらに前進させました。

研究者はオープンなデータ共有を支持しているにもかかわらず、自分のデータを積極的に共有している著者の割合は40%にも達していません。研究者からはその理由として、要求されていることが十分に明確でないことなど、実用上の課題を指摘する声が当社に寄せられています。一方で、データ共有に関する要件を各々のポリシーに採用する政府や資金配分機関、研究機関の数が増えています。全ての出版形態にわたってデータ共有を推奨するという取り組みによって、より明確で、よりアクセスしやすく、実行可能で、測定可能なデータポリシーの必要性がますます高まっていることが明らかになりました。シュプリンガーネイチャーは、長年オープンリサーチを支援してきましたが、そのジャーナル・ポートフォリオが透明性と再現性を高めるよう、DASを標準として採用しています。今回、書籍に対して、統一されたポリシーを初めて採用することは、シュプリンガーネイチャーの出版物全てに対してオープンリサーチの実践を奨励し、かつ全ての人々のためのオープンサイエンスを推進するためのさらなる興味深い一歩となります。

BMC and Research Dataの編集主幹であるMaria Hodges (Dr)は、次のようにコメントしています。

 「科学的主張の再現性は、科学的記録を完全なものとするために極めて重要です。研究成果の中心にあるのは、結果を取得し結論を導き出す根拠となるデータであり、そのデータが利用可能であることは、その研究の再現性を支えて、科学を厳しい吟味に耐え得るようにするための鍵となるのです」

「シュプリンガーネイチャージャーナルに関するデータポリシーを統一し、書籍に対してて統一されたポリシーを初めて採用することで、著者のデータポリシーの複雑さを大幅に簡素化することができ、著者が要求されていることを理解しやすくなります。これは、著者がオープンリサーチを実践することをサポートし、著者がオープンサイエンスによる恩恵をこれまで以上に享受できるようにするという当社の責務を明確にするものです」

統一されたジャーナルポリシーについては、シュプリンガーネイチャーのジャーナル全体に段階的に着実に拡大していく予定です。これまでのシュプリンガーネイチャーのデータポリシーは2016年に選定されたものであり、それ以降、他の出版社に採用され、広く使用されてきました。ネイチャー・ポートフォリオ、BMCやSpringerOpenジャーナルでは、既に原著論文にDASを必須要件としています(BMCは、同要件を初めて満たしたジャーナル群です)。シュプリンガーとパルグレイブのタイトルは、各々の以前の公約に従い、DASを義務化します。書籍についてはオープンサイエンスに移行する道筋がジャーナルとは異なっているという認識から、統一された書籍のポリシーでは、データの共有とレポジトリの利用を強く奨励する一方、DASは義務化しません。

シュプリンガーネイチャーのオープンリサーチ活動の推進に関する詳細はホームページおよび専用ブログサイトをご参照ください。 

編集者への注記

DAS - データ・アベイラビリティー・ステートメント - データがレポジトリにあるか、要求に応じて利用可能とするかを問わず、補足情報または図のソースデータファイルなど原稿に関連するデータの可用性に関する情報をまとめたものです。DASは、公開された文献の妥当性を確認し、その出版された文献の正当性を検証し、文献をまとめあげていく出発点を読者に提供するという重要な役割を果たします。全ての研究出版物原典に対し、DASを要求します。シュプリンガーネイチャーは全ての論文著者に対し、学術分野別の指針と事例に加え、DASの書き方に関する指針を提供します。現時点で全ての研究データをレポジトリで共有することを要求しているジャーナルについては、同要件は継続の上で、新しいポリシーのDASを義務化します。研究データとは、定性的データ、例えば調査への回答およびテキスト原稿などの資料を含むと定義されます。ポリシーを実施するにあたっては、全ての研究分野におけるコミュニティーのニーズと期待を考慮に入れるとともにプライバシーと取り扱いの慎重さについても考慮します。これには、例えば人文科学や社会科学など、その資料が「データ」と見なされないことがあった領域へのサポートも含まれます。

シュプリンガーネイチャーについて

シュプリンガーネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要でロバストであり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。

学術出版社として、シュプリンガーネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャー・ポートフォリオ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。

本件に関するお問い合わせ

三木 律子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ritsuko.miki@springernature.com

「プレスリリース」記事一覧へ戻る

advertisement
プライバシーマーク制度