Press release

シュプリンガーネイチャー、protocols.ioの買収によりオープンリサーチの推進を継続

2023年7月26日

プラットフォームを通じ、科学協力の強化に資する安全な環境を論文著者に提供

ロンドン|ベルリン|ニューヨーク 2023年7月26日

世界をけん引するプロトコル出版社であるシュプリンガーネイチャーは、再現性のある研究方法(メソッド)の開発および共有に適した安全なプラットフォームであるprotocols.ioを買収しました。

科学の進歩は、データの信頼性、ならびに検証可能かつ再現可能な基盤となりうる研究によって左右されます。データやメソッド、材料など研究のあらゆる要素のみならず、ネガティブ(否定的)な結果までも共有することが、研究の効率性を高め、再現性を実現し、ひいては科学に対する信頼を築くことになります。複数の研究結果から、既存の研究や否定的な結果に対する認知度が不足している場合、研究の不要な重複が生じるため、欧州単独でも260億ユーロの損失が生じている可能性があることが明らかになっています。

プロトコルは、プロセスの標準化と結果の正確性の確保、再現可能な研究の実現を目的として、研究メソッドに関する説明を手順ごとに詳細に示すことで、上記の問題への対処においてきわめて重要な役割を担っています。シュプリンガーネイチャーが提供する業界最先端のプロトコルにprotocols.ioが加わったことから、研究者は今後、各々のプロトコルをprotocols.ioのプラットフォーム(完全オープンアクセス)上で公開するとともに、(Springer Nature  Experiments1通じて検索可能な)査読付き出版物として公開するオプションを手にすることになります。

シュプリンガーネイチャーのChief Publishing OfficerであるHarsh Jegadeesan(ハーシュ・ジェガデサン)は次のようにコメントしています。

「シュプリンガーネイチャーはオープンリサーチに対する取り組みにおいて、データやコード、プロトコルなど、研究のあらゆる要素へのオープンアクセスに対するリーダーシップを明確に示しています。protocols.ioを迎えたことにより、当社は世界で最も緊急の課題の解決を加速するべく、オープンで再現性に優れた研究エコシステムの構築をさらに推進していきます」

2012年に設立されたprotocols.ioは、プロトコルとメソッドの分野において、信頼性の高い革新的な企業としての評価を獲得し、従来のプロトコルやメソッドにとらわれずに科学的な共同作業を安全に行うためのプラットフォームを提供してきました。研究者は、当社が提供するプロトコルのホスティングサービスのほか、研究協力の強化をサポートし、ワークフローの効率性と有効性を高めるものとして、プラットフォーム内における研究メソッドの執筆および共有機能による恩恵を受けています。

protocols.ioは今後、拡大し続けるシュプリンガーネイチャーのソリューション事業の一部となります。同事業では、研究者や研究機関の成功を後押しし、そのインパクトを高め、生産性を高めることを目的とした一連の総合的なツールとサービスを研究者と研究機関に提供します。

続いて、protocols.io のCEOであり、共同創設者であるLenny Teytelman氏は、次のように述べています。

「シュプリンガーネイチャーは長年にわたり、プロトコルの共有およびメソッドの開発の認知度を向上させる分野において、イノベーションとリーダーシップを実現してきました。シュプリンガーネイチャーと当社による2021年のートナーシップは、同分野における両社間の強力な連携と共通のビジョンを強く打ち出したものです。また、この提携は、オープンリサーチ、ならびにプロトコル共有におけるさらなるイノベーションに向けた公約を共有していることを明確に示したものでもあります。私たちは、シュプリンガーネイチャーの一員となり、プロトコル分野における同社の専門的知識と規模を活用するだけではなく、今後は質の高いメソッドを提供する方法を協力して構築することにより、研究コミュニティーによる議論と改訂、最適化、再利用を活発化させる支援ができることを心から光栄に感じています。グローバルな出版社の一員として提供するサービスを拡大し、protocols.ioを引き続き改善することにより、科学者とその研究に対し、ダイナミックでインタラクティブなプロトコルへのアクセスを通じ、これまで以上の恩恵をもたらすことができるのです」

2022年にシュプリンガーネイチャーは、6,000近くのプロトコルとともに154,000報以上のオープンアクセス論文を出版し、250万人以上の著者の研究をオープンアクセスで出版する支援をしてきました。当社のオープンリサーチに関する公約の詳細については、「オープンリサーチ」のページおよび最新の「Annual Progress Report」をご覧ください。

1Springer Nature Experimentsには、Methods in Molecular Biology やNature Methods 、Nature Protocols など、著名な出版物に発表されたライフサイエンス分野のプロトコルとメソッドに関する最大のコレクションが含まれており、ハイブリッドオープンアクセス出版のオプションも提供しています。

シュプリンガーネイチャーについて

シュプリンガーネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、公開するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心を持つすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良サービスを提供します。

学術出版社として、シュプリンガーネイチャーは、シュプリンガー、ネイチャーポートフォリオ、BMC、Palgrave Macmillan、Scientific Americanなどの信頼されたブランドを有しています。詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。

protocols.ioについて

protocols.ioは、科学に関するコミュニケーションと知識の迅速な共有を推進するものとして、遺伝学者であるLenny Teytelman、ならびにコンピュータ科学者であるAlexei StoliartchoukとIrinia Makkaveevaが2012年に考案したものです。学界や産業界の研究者は、protocols.ioプラットフォームを通じ、研究に関する最新のメソッドに関する詳細な情報を記録し、共有することができます。会社の所在地は、カリフォルニア州のバークレーです。詳細は、protocols.ioのウェブサイトをご覧ください。

本件に関するお問い合わせ

宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com

本リリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。

Springer Nature continues open research drive with acquisition of protocols.io

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