シュプリンガーネイチャーがSlimmer AIのScience部門を買収し、AI能力を拡大
2023年10月27日
シュプリンガーネイチャーは、オランダのSlimmer AIのサイエンス部門(S-AI)を迎え入れることに最終合意しました。
ロンドン|ベルリン|ニューヨーク 2023年10月23日
この数十年、テクノロジーは信頼性の高い科学研究を出版する手法の改善に重要な役割を果たしてきました。そうしたなかで、世界的な学術出版社、シュプリンガーネイチャーは、オランダのSlimmer AIのサイエンス部門(S-AI)を迎え入れることに最終合意しました。
シュプリンガーネイチャーとSlimmer AIは、2015年に連携を開始しました。新しい技術を生かしたSlimmer AIの先進的なソフトウェアを活用してAI(Artificial Intelligence;人工知能)ツールを開発し、次のような機能を通じて、出版プロセスの迅速化と改善を図ってきました。
- 原稿の投稿プロセスを支援する適切な 編集者を選定する。
- 原稿に最も適した査読者を推薦し、査読者の受け入れ率を向上させる。
- 論文に盗用などの問題の可能性がある場合、自動的に問題を特定する機能を用いて、学術記録の健全性を確保する。
シュプリンガーネイチャーのChief Information OfficerであるMatthias Wissel(マシアス・ウィッセル)は、次のように述べています。
「当社では、社員の3分の1がすでにテクノロジーに関連する業務を行っています。すなわち、テクノロジーは、当社が研究コミュニティーにサービスを提供する能力の中心であり、当社の成功に不可欠な役割を果たしています。テクノロジーによって当社のコンテンツを利用いただく際の利便性・開放性・視認性が高まり、より簡単に検索・活用・引用していただけるようになっています。また、質が高く信頼できる研究を迅速に出版し、社会が世界的な重要課題の解決策を見出すことに貢献するという当社の使命の実現にもつながっています。
Slimmer AIのScience部門がシュプリンガーネイチャーの一員となり、既存のAI機能をさらに拡大することを非常にうれしく思っています。両社は、長年にわたって順調な協力関係を維持してきましたが、今後は、著者の皆さまやお客さまのために、AIが研究プロセス全体を改善できると考えており、その改善がどれほどスケールアップし、加速されるかを見るのが楽しみです」
また、Slimmer AI のScience部門のManaging Director、Heather Devereaux氏は、次のように話しています。
「これまで数年間、光栄にもシュプリンガーネイチャーと共同で革新的なAI製品を開発し、多くの成功と学びを共有させていただきました。
両社は、倫理的かつ責任あるテクノロジーの活用、改善への継続的な取り組み、ユーザーのニーズを中心に置いたプロダクト開発といった文化や価値観を共有しており、その相乗効果を考慮すると、今回の統合はきわめて自然な流れであり、これまでの連携を継続する最高の形だと思います。重要でやりがいのある仕事をともに続けられることを非常にうれしく思います」
本買収案件は最近、再現性のある研究方法(メソッド)の開発および共有に適した安全なプラットフォームprotocols.ioの買収、シュプリンガーネイチャーのAI駆動型科学論文執筆支援サービス Curieの立ち上げに続いて行われました。
シュプリンガーネイチャーについて
シュプリンガーネイチャーは、180年以上にわたり、研究コミュニティー全体へ最良のサービスを提供することによって発見の進展に貢献してきました。研究者が新しいアイデアを公開することを支援するとともに、出版するすべての研究が重要で着実であり、客観的な精査にも耐え、関心をもつすべての読者にもっとも良いフォーマットで届き、発見、アクセス、使用、再利用、および共有されるようにします。私たちは、テクノロジーやデータの革新を通じて図書館員や研究機関をサポートし、学会に出版を支援するための優良なサービスを提供します。
学術出版社として、シュプリンガーネイチャーは、シュプリンガー(Springer)、ネイチャーポートフォリオ(Nature Portfolio)、BMC、パルグレイブ・マクミラン(Palgrave Macmillan)、サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)などの信頼されたブランドを有しています。
詳しい情報は、springernature.com をご覧いただき、@SpringerNature のフォローをお願いいたします。
本件に関するお問い合わせ
宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com
※ 本プレスリリースの原本(一部を除いて)は英語であり、日本語は参考翻訳です。