Press release

シュプリンガーネイチャー、日本における転換契約を拡大し、オープンアクセスへのさらなる移行を支援

2025年1月29日

さらに多くの機関が日本の転換契約に参加し、2025年は2,400以上のオープンアクセス論文が出版される見込み。

ロンドン|東京 2025年1月29日

シュプリンガーネイチャーは、日本における転換契約の参加機関を2023年の発足時の10大学から、2025年までに合計60機関に拡大し、さらに多くの研究者が研究をオープンアクセス(OA)で出版できるようになりました。転換契約を通じて、参加機関のいずれかに所属する研究者は、シュプリンガーネイチャーが出版する2000誌以上のハイブリッドジャーナルでオープンアクセス(OA;Open Access)で論文を出版することができます。また、本契約の一環で、Springer、Palgrave Macmillan、Adis のポートフォリオおよび Academic Journals on nature.comのジャーナルへのアクセスも所属機関の研究者に提供します。*1

シュプリンガーネイチャーでは、現在、2つの転換契約のモデルを展開しています:(1)研究大学コンソーシアム(RUC;Research University Consortium)加盟大学を対象としたパイロット転換契約および;(2)J-SPRINTA (Japan Springer Research Institute Transformative Agreement)

2025年の日本における転換契約のおもなハイライトは次のとおりです。

  • 2025年1月より、シュプリンガーネイチャーとの新たな転換契約が22機関で開始されます。(パイロット転換契約:3機関;J-SPRINTA:19機関)J-SPRINTAの19機関には、3つの政府機関(国際農林水産業研究センター(JIRCAS)、物質・材料研究機構(NIMS)、国立環境研究所(NIES))、および1つの病院(国立長寿医療研究センター(NCGG))が含まれます。
  • 2023年の開始以来、現在、日本では合計60の機関がシュプリンガーネイチャーと転換契約を締結しており、パイロット転換契約には24機関、J-SPRINTAには36機関が参加しています。
  • 転換契約により、2025年には2400報以上がOAで出版される見込みであり、これは2023年と比較して2.5倍以上の増加となります。

シュプリンガーネイチャーのVice President Sales Japan, Southeast Asia and Oceaniaであり、シュプリンガーネイチャー・ジャパンの代表取締役社長であるアントワーン・ブーケは、次のように述べています。

「シュプリンガーネイチャーが、政府機関や病院を含む日本の機関との契約をさらに拡大したことを嬉しく思います。日本における転換契約に参画していただいている機関の皆さま、特に2025年に参画された機関に心より感謝の意を表します。転換契約の開始以来、3年間で、転換契約に参加する機関数は6倍に拡大し、OA論文の出版数は2.5倍以上増加しました。私たちは日本のパートナー機関と協力し、研究者のニーズに合った適切な転換契約モデルを見つけられるよう、柔軟な枠組みを用意しています」

「日本における転換契約のデータによると、OA論文は非OA論文と比較して平均で約5~6倍多くダウンロードされています。また、物理科学や人文・社会科学(HSS)など、これまでOA化の普及率が比較的低かった研究分野でも、今後はOA論文の増加が期待されています。研究者がオープンアクセス出版を通じて、自身の研究の認知度が高まるという恩恵を得られていることは素晴らしいことです。研究へのアクセスが容易になることで、一般市民を含むより幅広い層に研究が届くようになり、オープンアクセスで出版された研究を誰もが利用、配布、発展させることが可能になります。私たちは、日本のコミュニティーと協力し、日本におけるオープンサイエンスのさらなる推進に努めてまいります」

*1 参加機関は、現在アクセスのあるジャーナルタイトルにアクセスできます。

 

編集者への注記

転換契約に参加している機関については、「日本における転換契約」のページでご覧いただけます。

J-SPRINTA(Japan Springer Research Institute Transformative Agreement;ジェイ・スプリンタ)について

J-SPRINTAでは、Springerジャーナルパッケージの購読の有無にかかわらず、RUC以外の機関も3年間の転換契約に参加できます。本契約により、研究者は、当社のハイブリッドジャーナルにおいて、OA出版費用の援助を受けることができます。また、比較的安価な追加費用により、シュプリンガーネイチャーのジャーナルへのアクセスが可能になります。そのため、従来のSpringerジャーナルパッケージと比較して、新たな転換契約モデルは費用効率が高くなります。J-SPRINTAの契約対象となるのは、年間5報以上の論文を出版する見込みのある機関です。

関連リンク

【共同プレスリリース】研究大学コンソーシアム(RUC)のメンバーを中心とする国内10大学がシュプリンガーネイチャーとオープンアクセス論文出版の促進に関する合意書に署名(2023年11月21日)

【プレスリリース】シュプリンガーネイチャー、日本の大学との転換契約を拡大し、オープンアクセスへのさらなる移行を推進(2024年1月22日)

【お知らせ】日本における転換契約のケーススタディを公開しました(2024年2月27日)

用語解説

  • 転換契約:一般的には、論文の閲覧のために大学などが出版社に対して支払う費用を、論文出版のための費用(論文掲載料、APC;Article Processing Charge)へと段階的に転換させ、それによって論文のオープンアクセス出版の拡大を目指す契約のことを指します。
  • オープンアクセス(OA;Open Access):研究成果が出版時に無料でアクセスすることを可能にするための一連の原則と実践方法。OAは、ジャーナルに掲載された論文や書籍などの研究成果をオンラインで無料で即時利用できるようにし、デジタル環境でフルに利用する権利を提供します。
  • ハイブリッドジャーナル:購読型ジャーナルのうち、受理された論文をゴールドオープンアクセスで出版するオプションを著者に提供するジャーナル。オープンアクセスで出版する場合には、APCが発生します。
  • ゴールドオープンアクセス(ゴールドOA):出版社のプラットフォームにおいて、論文や書籍をオープンアクセスで出版するルートです。ゴールドOAで出版された論文は、掲載後ただちにオープンアクセスとなり、プラットフォーム上にて無料で閲覧可能となります。ゴールドOAでは、原稿編集(コピーエディティング)や組版後の最終公開版(VOR;Version of Record)にアクセスできるようになります。ゴールドOAの出版は、論文掲載料(APC;Article Processing Charge)や転換契約によって賄われています。
  • 論文掲載料(APC;Article Processing Charge):オープンアクセス(OA)の論文に対するAPCは、査読からコピー編集、専用サーバーでの最終論文のホスティングまで、出版プロセスのすべての段階においてさまざまなサービスをカバーしています。これに加えて、こちらの料金により、論文がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもと、オープンアクセスで公開され、すべての読者がすぐに利用できるようになります。
    出版にはコストがかかります。購読ジャーナルは、コンテンツにアクセスするための料金の徴収によって出版費用がカバーされています。ゴールドオープンアクセスのコンテンツは、どなたでも無料で自由にアクセスできるため、出版費用は論文掲載料(APC)によって賄われます。APCは、論文が受理されてから出版されるまでの間に支払われ、それぞれの出版社、ジャーナル、分野によってAPCが異なります。また、掲載料や出版料を学会などのスポンサーが負担することで、APCを徴収しないジャーナルもあります。APCには、論文全文への永続的、即時的かつ世界中からのアクセスの提供に加えて、下記が含まれます。
    • 編集作業:査読、管理サポート、コンテンツの委託、ジャーナルの開発。
    • 技術的なインフラストラクチャーとイノベーション:オンラインジャーナルシステムやウェブサイトの開発、メンテナンス、運用。
    • 論文の制作:論文のフォーマット、マークアップ(タグ付け)、インデックスサービスへの登録。

シュプリンガーネイチャーについて

シュプリンガーネイチャーは、世界をリードする研究出版社のひとつです。当社は、最も多くのジャーナルや書籍の出版数を誇り、オープンリサーチのパイオニアでもあります。180年以上にわたって信頼されてきた主要ブランドを通じて、研究者が新たなアイデアを見いだしてそうした発見を共有すること、医療従事者が医学の最前線に立ち続けること、教育者が学習を促進することを支援するテクノロジーを活用した製品、プラットフォーム、およびサービスを提供しています。当社は、当社が支援するコミュニティーとの協力のもと、知識を共有し、世界に対する理解を深めるための進歩に貢献していることを誇りに思っています。

詳細は、about.springernature.comおよび@SpringerNatureをご覧ください。

本件に関するお問い合わせ

宮﨑 亜矢子
シュプリンガーネイチャー
コーポレート・アフェアーズ
E-mail: ayako.miyazaki@springernature.com

英語プレスリリース:Springer Nature supports further transition to open access through expansion of transformative agreements in Japan

「プレスリリース」記事一覧へ戻る

advertisement
プライバシーマーク制度