注目の論文
【人工知能】ロンドン地下鉄を使いこなす機械学習モデル
Nature
2016年10月13日
Artificial intelligence: Learning machine navigates London Underground
神経ネットワークとコンピューターの最も優れた特徴を組み合わせたハイブリッド型機械学習モデルについて記述された論文が、今週掲載される。
従来のコンピューターは、複雑な形式のデータを処理できるが、そうした課題を実行するには人手によるプログラミングを必要とする。これに対して人工ニューラルネットワーク(人工神経回路網)は、データ中にパターンを見つけ出す能力を有する脳のような学習を模倣するように開発されたが、構造化データの記号処理に必要なメモリアーキテクチャーがない。
今回、Alex Graves、Greg Wayne、Demis Hassabisたちの研究グループは、いわゆる“Differentiable Neural Computer (DNC)”を開発した。これは、事例からの学習や試行錯誤による学習ができるニューラルネットワークと従来のコンピューターのランダムアクセスメモリーに似た外部記憶構造によって構成されている。そのため、DNCは、ニューラルネットワークのように学習できる一方で、コンピューターのように複雑なデータの処理も可能だ。
今回の研究は、DNCが、家系図や交通ネットワークのようなグラフ構造を理解でき、例えば、予備知識なしにロンドン地下鉄における最適な乗り継ぎ経路を導き出し、目的地が記号言語で記述された移動ブロックパズルを解けることを明らかにしている。
doi: 10.1038/nature20101
注目の論文
-
1月21日
健康:GLP-1受容体作動薬に関連する健康上の利益とリスクの調査Nature Medicine
-
1月21日
神経科学:ブレイン・コンピューター・インターフェースを用いたバーチャルクアッドコプターの操縦試験Nature Medicine
-
1月16日
人類学:鉄器時代のブリテンにおけるケルトの「ガールパワー」Nature
-
1月14日
健康:米国における認知症リスクの増加Nature Medicine
-
1月14日
微生物学:腸内細菌が砂糖への欲求を制御している可能性があるNature Microbiology
-
1月9日
生物多様性:淡水生物の約4分の1が絶滅の危機に瀕しているNature