注目の論文
Nature Ecology & Evolution:パンダはまだ危機を脱してはいない
Nature Ecology & Evolution
2017年9月26日
Pandas aren’t out of the (bamboo) woods yet
現在のパンダの生息地は、1988年に初めて絶滅危惧種に指定された当時よりも状況が悪化している、という論文が、今週掲載される。
2016年、ジャイアントパンダは、絶滅の危機にある種の世界的リストの中で、「絶滅危惧IB類」から「絶滅危惧II類」へ格下げされた。種の保全状況のカテゴリーを決定する機関「国際自然保護連合(IUCN)」は、成体パンダ個体群の増加を認めた2014年のデータに基づいてその分類変更を行った。しかし、この朗報とは裏腹に、今なお大きな懸念の種が残されているという事実を強調する研究者は多い。生存しているパンダの個体群は6つの山地に閉じ込められていて、わずか30群の孤立集団しか存在せず、そのうち18群は構成個体数がたかだか10頭だというのである。
Ouyang Zhiyunたちは、過去40年間の衛星データを利用して、パンダの生息適地が大幅に減少したことを明らかにし、その減少の原因を探った。その結果、地震、人間の侵入、農業、道路建設、および森林伐採の全てが、「分断化」というプロセスで、パンダの生息地を分割して細かくすることに寄与していることが分かった。研究チームは、自然保護区の制定および新たな中国全土都市化計画の実行がパンダの細分化をある程度は緩和することを示唆しているが、多くの障害が残されている。
doi: 10.1038/s41559-017-0317-1
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