注目の論文
読み書き計算ができることの遺伝的性質
Nature Genetics
2018年7月24日
Genetics of reading, writing and arithmetic
100万人以上を対象にした研究で、教育に関連する多数の遺伝的バリアントが同定された。これらのバリアントから、脳の発達とニューロン間情報伝達において役割を担う遺伝子の候補が示唆された。
今回、Daniel Benjaminたちの研究グループは、100万人以上の人を対象に遺伝子の構成と学歴について調べた。大きなサンプルサイズが、学校教育の修了年数に関連する1200以上もの遺伝的バリアントの同定を可能にした。座位の数では、過去のさまざまな研究で見つかったバリアント数の10倍以上に上る。またBenjaminたちは、個々の被験者のテストの成績、自己申告による数学の能力、最終的に修了した数学クラスのレベルについても調べ、これらの形質に関する遺伝的関連を多数明らかにした。
今回の研究で示唆された遺伝子は、出生前と出生後の脳内での発現レベルが高く、神経伝達物質の分泌とシナプス可塑性において役割を担っている。この遺伝的座位に関する大規模なデータセットは、遺伝子と環境が相互作用して認知表現型に影響を及ぼす過程に関する今後の研究で役立つと予想される。
doi: 10.1038/s41588-018-0147-3
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