注目の論文
基底細胞がんに関連するTP53遺伝子の多型
Nature Genetics
2011年9月26日
TP53 variant associated with basal cell carcinoma
ヨーロッパ系の人々は、皮膚基底細胞がんの発症率が世界で最も高いが、このほど、皮膚基底細胞がんに関連する遺伝的多型が新たに同定された。この成果を報告する論文がNature Genetics(電子版)に掲載される。
S Stacey、K Stefanssonたちの研究グループは、457人のアイスランド人を対象として全ゲノム塩基配列解読を行い、1,600万の一塩基多型(SNP)を同定した。そして、このデータとアイスランド人の家系に関する情報を用いて、過去に発表されたアイスランド人における基底細胞がん(BCC)に関する全ゲノム関連解析の結果を分析した。その結果、TP53遺伝子の3’非翻訳領域に基底細胞がんに関連する多型が同定された。この多型は、TP53遺伝子のmRNAのプロセシング異常を引き起こす。
この研究グループは、別のアイスランド人の集団とほかのヨーロッパ諸国の人々のサンプルを用いて追試を行って、この基底細胞がんとの関連について再現性を確認し、さらには、このTP53遺伝子の多型が前立腺がんと大腸腺腫にも関連していることを報告している。
doi: 10.1038/ng.926
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