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古生物学:初期の哺乳類は生活のペースが早く、寿命が短かった

Nature

2022年9月1日

Palaeontology: Early mammals lived fast and died young

恐竜時代が終わって登場した最初期の大型哺乳類のPantolambda bathmodonは、同程度の体サイズの現生哺乳類と比べて、2倍の速さで成長し、寿命が短かったことを報告する論文が、今週、Nature に掲載される。今回の研究は、この先史時代の動物種のユニークな生活史に明らかにし、恐竜が絶滅した後、哺乳類がどのようにして優占するようになったのかを説明する上で役立つ。

哺乳類は、恐竜の絶滅に対応して、多様化し、体サイズが大きくなった。この時期に出現した大型草食動物の中で、汎歯目哺乳類が最初期の分類群として知られている。汎歯目哺乳類は、進化して多様な形態をとるようになったが、始新世に絶滅し、後代の哺乳類との関係は分かっていない。今回の研究で、Gregory Funston、Steve Brusatteたちは、さまざまな方法(歯の微量元素マッピングを含む)を用いて、6200万年前の汎歯目哺乳類であるPantolambda bathmodonの生活史を解明した。その妊娠期間は約7か月と推定され、同程度の体サイズの現生哺乳類の妊娠期間と一致しているが、P. bathmodonの方が、成長が早く、寿命が短かったことが判明した。幼若体は、かなり発達した状態で生まれ、1~2か月以内に離乳し、10歳になる前に死んでいた。

このような生活史を示す現生哺乳類はいない。P. bathmodonの生殖は、有胎盤哺乳類に似ているが、大きな体サイズにしては、異常に早いペースで生きていた。今回の知見は、長い妊娠期間が6200万年前にすでに存在しており、新生仔の体サイズが大きかったことが、初期の有胎盤哺乳類で観察された急速な成長の一因だったという可能性を示唆している。

doi: 10.1038/s41586-022-05150-w

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