注目の論文
男性型脱毛症への感受性
Nature Genetics
2008年10月13日
Susceptibility to male-pattern baldness
男性型脱毛症の複数の遺伝的危険因子が2つの研究によって新たに同定された。この成果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
男性型脱毛症(男性ホルモン性脱毛症とも呼ばれる)には、成人男女の40%が罹患している。この疾患は、社会への影響があるだけでなく、冠動脈性心疾患とも関連付けられてきた。これまでの研究では、アンドロゲン受容体をコードする遺伝子の多型が疾患感受性に寄与することが判明していたが、それ以外に遺伝的危険因子は発見されていなかった。
ボン大学(ドイツ)のA Hillmerの研究チームとロンドン大学キングス・カレッジ(英国)のT Spectorの研究チームは、20番染色体上で密に連鎖した複数の遺伝子多型が男性型脱毛症の素因であることを、それぞれ独自に報告している。発症リスクは大きく上昇しており、Spectorらは、20番染色体上の多型1つとアンドロゲン受容体をコードする遺伝子の多型1つを有する男性の14%で、発症リスクが7倍以上高いことを報告している。また、Hillmerらは、20番染色体上のリスク多型の頻度には世界各地でばらつきがあることを明らかにしているが、これが、男性型脱毛症の罹患率が人種によって異なる原因の一部かもしれない。今回同定された多型は、2つの遺伝子(PAX1とFOXA2)の近くに位置している。ただし、脱毛におけるPAX1とFOXA2の役割の有無とその内容については解明されていない。
doi: 10.1038/ng.228
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