注目の論文
【生態】道具の使い方が似ているイルカどうしが群れる
Nature Communications
2012年8月1日
Ecology: Dolphins clique in more ways than one
海綿を狩猟の道具に使っているシャークベイ(オーストラリア)のハンドウイルカが、自分たちと同じように海綿を用いるイルカを好むとする見解を示した論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。このことは、海綿を利用するイルカが、社会的に学習した技能によって、イルカ集団において独自のグループを形成していることを暗示しており、このイルカ種における文化的行動の存在を示唆している。
動物の道具使用は知能に関連しているが、ヒトだけが文化的行動を示す動物なのかどうかは明らかでない。今回、J Mannたちは、社会的ネットワーク分析を用いて、22年間にわたってシャークベイに生息する海綿を用いるイルカと用いないイルカにおける社会的選好を調べた。その結果、海綿を用いるイルカは、群れをなす傾向が強く、海綿を用いないイルカよりも海綿を用いるイルカの仲間の数が多く、お互いの絆も強かった。この研究で得られた知見は、海綿を道具として利用することが、文化的行動の一種であり、ハンドウイルカが、ヒトの場合と同様に、同じサブカルチャーを有する他者と仲間になることを好む可能性があることを示唆している。
doi: 10.1038/ncomms1983
注目の論文
-
3月27日
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
3月25日
神経科学:マラソンランナーは脳内のミエリンの可逆的な変化を経験するNature Metabolism
-
3月25日
加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定Nature Medicine
-
3月20日
神経科学:鳥の脳が明かす言語の秘密Nature
-
3月20日
創薬: 新しい抗真菌薬が多剤耐性の真菌を撃退Nature
-
3月18日
ウイルス学:FDA承認の抗ウイルス剤がマウスにおける鳥インフルエンザの転帰を改善Nature Microbiology