注目の論文
小児の遺伝性失明に新たな原因が判明
Nature Genetics
2012年7月30日
New cause of childhood blindness
小児の遺伝性失明の一部の症例について、その原因となる遺伝的異常が4つの独立した研究で明らかになった。それぞれの論文は、今週、Nature Genetics(オンライン版)に掲載される。
遺伝性網膜疾患の一種であるレーバー先天黒内障(LCA)は、重症型の遺伝性失明疾患で、乳児期に発症する。全症例の約70%は、遺伝的原因がわかっているが、残りの30%については、この疾患の根底にある遺伝的基盤が解明されていない。
R Chen、J KaplanとJ-M Rozet、E Pierce、M Qiの4つの研究チームは、原因不明のレーバー先天黒内障患者のすべてのタンパク質コード領域の塩基配列解読を行った。その結果、NMNAT1遺伝子の変異が、この疾患の一般的な原因の一つであることが判明した。
NMNAT1遺伝子には、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)という分子の合成を触媒する酵素がコードされており、NADは、細胞の生存に必要とされる。今回得られた新知見からは、NMNAT1タンパク質が、網膜の視細胞を損傷やストレスによる変性から守る作用を有することが示唆されている。
doi: 10.1038/ng.2356
注目の論文
-
2月21日
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
2月19日
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
2月18日
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
2月13日
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature
-
2月13日
古生物学:初期の尾の短い鳥Nature
-
2月6日
遺伝学:古代のゲノムがヤムナ文化の起源の手がかりとなるNature