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【化石】三葉虫の眼の中身を調べる

Scientific Reports

2013年3月14日

Fossils: Looking inside ancient animal eyes

絶滅した古代の海洋節足動物の一種である三葉虫の複眼の中に感覚細胞系の痕跡が発見された。この新知見は、視覚、特に節足動物の視覚系の初期進化に関する新たな手がかりをもたらしている。

三葉虫は、よく発達した複眼を持っていたことで知られている。この複眼の水晶体と視表面は、良好な状態で保存される傾向があるが、軟組織は、通常、化石化しないため、複眼の基盤となる感覚構造は解明されていなかった。今回、B SchoenemannとE Clarksonは、高分解能コンピューター断層撮影とシンクロトロン放射光による解析を用いて、4億年前の三葉虫の一群について複眼化石の解析を行った。この複眼の表面には、細菌が鉱物の薄膜を「散布」していたため、内部構造が元の通りに保存されていた。そして、SchoenemannとClarksonは、生体鉱化作用を受けた水晶体と感覚受容細胞を結びつける細胞の痕跡という形で、複眼の感覚構造を発見したのだった。

この新知見は、三葉虫の眼が連立像眼であったことを示している。連立像眼は、多面体の複眼の一種で、現生節足動物の大部分が持っている。また、三葉虫の眼は、カブトガニの複眼に似ていることも明らかになった。カブトガニは、一般に「生きた化石」と考えられており、この古代の視覚系を持ち続けている可能性がある。

doi: 10.1038/srep01429

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