注目の論文
毒素が誘発する細胞死の経路を解明する
Nature Chemical Biology
2013年4月22日
Understanding the pathway for toxin-induced cell death
炭疽に対する反応で見られるような毒素誘発性のマクロファージの死を予防するタンパク質キナーゼR(PKR)の化学プローブが、今週オンライン版で発表される。その研究成果は、PKRに関して、酵素機能とは無関係に細胞死経路で担っている新たな役割を明らかにしている。
炭疽菌が産生する致死性の毒素は炭疽の原因物質であり、宿主のさまざまな機能に障害を与えてマクロファージという宿主の免疫細胞を死滅させる。感染したマクロファージの死が宿主を感染から守ることから、細胞死を促進する基本的なメカニズムを明らかにすることは重要である。
Erik Hett、Deborah Hungたちは、高処理能の化学スクリーニングを行い、致死性の毒素が誘発する死を抑制する低分子を発見した。研究チームはPKRがその低分子の標的であることを明らかにし、PKRが自身のキナーゼ活性とは無関係に「ピロトーシス」という種類の細胞死を促進することを示した。このことは、アポトーシスによってマクロファージの細胞死を促進する既知のキナーゼ依存的な活性とは別に、炎症反応に関してPKRの理解を深めるものである。
doi: 10.1038/nchembio.1236
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