注目の論文
タンパク質の折り紙
Nature Chemical Biology
2013年4月29日
Protein origami
DNA折り紙が道を譲る:生物工学的に作製したタンパク質が1本の長い鎖から三次元的な構造に折りたたまれたという論文が、今週のオンライン版で発表される。
塩基の特異的な対合を利用してスマイリーの顔や大学のロゴ、箱のようにさまざまな構造物を設計するDNA折り紙は、「スマート」な材料を創作したいと考える科学者や、単純に分子の相互作用を制御する力に関する理解を追究したいと考える科学者にインスピレーションを与えた。タンパク質の組み立ても研究されたが、その実験で利用されたものは、相互作用して大きな構造を形成する複数の短い配列にとどまる。
Roman Jeralaたちは、長いタンパク質配列(今回は連続する12本のヘリックスを含むポリペプチド)がヘリックスの特異的な対合によって狙いどおりの構造に折りたたまれていくことを示した。研究チームは、その新たに折りたたまれた四面体に関して、かき乱したり短縮したりした配列では正しい形が形成されなくなることを示すなどの方法により、特性評価を行った。タンパク質を形成する構成要素はDNA以上に多様であるため、この研究は、積み荷の輸送や人工的な触媒部位の創出など、機能的にも新しい全くの新規構造物を得るための道を開くものである。
doi: 10.1038/nchembio.1248
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