注目の論文
関節炎の薬が、腎臓病にも効果
Nature Medicine
2008年6月16日
Arthritis drug may help combat kidney disease
関節リウマチの治療に現在使われている薬の1つが、遺伝性の腎臓病患者の治療にも利用できる可能性があるという。
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は腎臓に嚢胞が形成されるのが特徴の病気で、原因はポリシスチン-1とポリシスチン-2というタンパク質の遺伝子の変異である。R Liたちは、ADPKD患者の嚢胞液中に存在する炎症誘発性シグナルタンパク質、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)が、細胞膜と一次繊毛へのポリシスチン-2の蓄積を阻害することを明らかにした。
嚢胞の生じやすいマウスにTNF-αを投与すると、ポリシスチン-2遺伝子の変異のために、病気の程度がひどくなる。これとは対照的に、同じマウスに関節リウマチの治療に使われるTNF-α阻害剤エタネルセプトを投与すると、嚢胞の形成が抑えられた。
これらのデータから、TNF-α、ポリシスチン、嚢胞形成を結ぶ経路が明らかになり、エタネルセプトがADPKD患者の治療に役立つ可能性が示唆される。
doi: 10.1038/nm1783
注目の論文
-
3月27日
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
3月25日
神経科学:マラソンランナーは脳内のミエリンの可逆的な変化を経験するNature Metabolism
-
3月25日
加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定Nature Medicine
-
3月20日
神経科学:鳥の脳が明かす言語の秘密Nature
-
3月20日
創薬: 新しい抗真菌薬が多剤耐性の真菌を撃退Nature
-
3月18日
ウイルス学:FDA承認の抗ウイルス剤がマウスにおける鳥インフルエンザの転帰を改善Nature Microbiology