注目の論文
血液疾患の危険因子
Nature Genetics
2009年3月16日
Risk factor for blood diseases
遺伝子の塩基配列に比較的高頻度でみられる変異が、血液疾患に関連する遺伝子変異を獲得する可能性を高めることが明らかになった。こうした成果を報告する3本の論文がNature Genetics(電子版)に掲載される。
サウサンプトン大学(英国)のN Cross、オーストリア科学アカデミー分子医学センター(ウィーン)のR Kralovicsとスローン・ケタリング記念がんセンター(米国)のR Levineの各研究チームは、それぞれ独自に症例対照研究を行って、JAK2遺伝子に生じる一連の変異のうち、ランダムな突然変異誘発ではなく、DNA塩基配列によって特異的に決まる変異を同定した。JAK2は、数種類の血液細胞の異常な産生を特徴とする骨髄増殖性新生物という疾患と結びついた酵素活性のあるタンパク質であり、この疾患の患者にみられる。
骨髄増殖性新生物は、骨髄が原因となって発生し、この疾患にかかった患者の50%以上にはJAK2の変異がみられ、赤血球、血小板、または線維性結合組織の過剰産生が起こる。その背後にある遺伝子塩基配列を解明することは、特定の疾患特異的遺伝子の変異を獲得しやすい原因の一部を説明することとなり、さらには、病気にかかるリスクが人によって異なる理由を説明する上でも役に立つかもしれない。
doi: 10.1038/ng.334
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