注目の論文
数の強み
Nature Immunology
2008年5月12日
Strength in numbers
Tリンパ球の表面に発現されている受容体複合体中にある多数の情報伝達モチーフが、自己免疫を防ぐのに役立っているとの報告が寄せられている。自己攻撃性Tリンパ球は健康な組織を攻撃し、自己免疫疾患を悪化させるので、この細胞の活性を調節する仕組みの解明は重要である。
Tリンパ球には、細胞内シグナルの伝達に必要なITAMとよばれる情報伝達モチーフが、他の免疫細胞に比べて最も多く10個も存在する。D Vignaliたちは、複雑な遺伝子操作を用いることにより、Tリンパ球上に発現するITAMの数がさまざまに異なるマウス集団を作成した。正常に機能するITAM数が6個以下のマウスは、自己を攻撃する自己反応性Tリンパ球の除去がうまくいかないために、致命的な自己免疫疾患を発症する。一般にTリンパ球の発生にはITAM数が多い必要があり、それに対して成熟Tリンパ球の機能にはITAMが少ないことが求められる。
このようなITAMの「閾値」の違いの分子基盤について、今後の解明が待たれる。
doi: 10.1038/ni.1611
注目の論文
-
3月27日
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
3月25日
神経科学:マラソンランナーは脳内のミエリンの可逆的な変化を経験するNature Metabolism
-
3月25日
加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定Nature Medicine
-
3月20日
神経科学:鳥の脳が明かす言語の秘密Nature
-
3月20日
創薬: 新しい抗真菌薬が多剤耐性の真菌を撃退Nature
-
3月18日
ウイルス学:FDA承認の抗ウイルス剤がマウスにおける鳥インフルエンザの転帰を改善Nature Microbiology