注目の論文

リステリア菌の広がりを防止する

Nature Cell Biology

2009年9月21日

Stopping Listeria spread

細菌の一種であるリステリア菌(Listeria)が感染した細胞から他の細胞へと広がっていく一般的な機序が明らかにされた。この知見は、リステリア菌が関連する胃腸炎などの病気の発症を防ぐ方法を探るのに役立つかもしれない。

Listeria monocytogenesは毒性の高い食事性細菌で、リステリア症の原因である。この菌は健康な人の場合は胃腸炎を引き起こすが、妊娠中の女性や免疫系が弱っている場合にはもっと深刻な感染症につながる。

感染したリステリア菌は宿主の細胞内で増殖するが、そこからほかの細胞に感染が広がる機序ははっきりしていなかった。K Iretonたちは、リステリア菌が発現するある種の分子が感染宿主細胞膜の「張り」をゆるめ、細菌が膜を押し出して別の細胞へと広がるのを助けていることを見いだした。これは、感染の際に細菌が細胞間で伝播するのを促進する一般的な機序である可能性がある。

doi: 10.1038/ncb1964

「注目の論文」一覧へ戻る

プライバシーマーク制度