注目の論文
肺機能に関連する多型
Nature Genetics
2009年12月14日
Variants associated with lung function
肺機能指標に関連する遺伝的多型が、2つの独立した研究で同定された。この研究成果を報告する2つの論文はNature Genetics(電子版)に掲載されるが、肺機能に影響する遺伝的多型の解明に役立つものといえる。
肺機能指標は、人間の肺と気道の生理的状態を評価する方法として信頼性が高い。また、喫煙経験のない人や軽度の呼吸器疾患を有する人、呼吸器疾患をもたない人の場合も含めて、重要な死亡予測因子でもある。1秒量(FEV1)と1秒率(FEV1/FVC)は、2つの臨床的に意義のある肺機能指標である。1秒量は、努力肺活量測定における最初の1秒間の呼気量で、1秒率は、努力肺活量(最大吸気後にできるだけ努力して吐き出せる空気量)に対する1秒量の割合である。FEV1/FVCは、気道閉塞の有無を示す指標として用いられ、FEV1は、通常、気道閉塞の重症度分類を行う際に用いられる。
国立環境衛生科学研究所(米国ノースカロライナ州)のS Londonらは、20,000人以上のヨーロッパ系の人々について解析を行い、FEV1/FVCに関連するいくつかの遺伝的多型とFEV1に関連する1つの遺伝的多型を同定した。また、レスター大学(英国)のM Tobinらは、別の約20,000人のヨーロッパ系の人々のゲノムを解析した。この2つの研究により、FEV1とFEV1/FVCに関連する遺伝子座が新たに6つ同定され、再現された。
doi: 10.1038/ng.500
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