注目の論文
RNAの毒性を弱める
Nature Structural & Molecular Biology
2010年12月27日
Taming RNA toxicity
ある疾患関連遺伝子産物を特異的に狙う方法が、Nature Structural & Molecular Biology(電子版)で示されている。ここで使われた方法論は、原因の似たほかの疾患に対する遺伝子発現抑制にも利用できるかもしれない。
筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)は骨格筋、平滑筋のみならずその他必須の組織系に影響を及ぼす多系統の疾患である。DM1はDMプロテ インキナーゼ(DMPK)遺伝子にあるCTG反復配列の過剰な伸長が転写産物RNAに現れるのが原因で起こり、タンパク質ではなくRNAが引き起こす疾患の一群に属する。
変異DMPKの転写産物RNAには多数の伸長したCTG反復配列が含まれ、折りたたまれて核内でタンパク質と結合し、安定なRNA-タンパク質凝集体を形成する。病気の治療には、絶え間なく発現する毒性RNAを妨害する合成RNA分子を繰り返し投与する必要がある。この制約を避けて持続する効果を起こすために、D FurlingらはRNAを狙った最適化配列を開発した。この構築物は病原性DMPK mRNAを特異的に分解するが、野生型DMPK産物には作用しない。
doi: 10.1038/nsmb.1958
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