注目の論文
真菌の構成成分が、気道疾患の発症を促進する
Nature Medicine
2013年9月2日
A fungal component promotes airway disease
空中を浮遊する真菌の成分が、肺で特定の型の免疫細胞を活性化し、アレルギー性気道疾患の発症を促進するとの報告が寄せられている。この知見によって、環境要因が肺疾患の引き金となるしくみが明らかになった。
空中浮遊真菌の胞子は屋内でも屋外でも広く見られ、我々は絶えずこれを吸い込んでいる。吸い込まれた真菌は肺の免疫系によって除去されるが、人によってはこの真菌に対してアレルギー反応を起こし、重い喘息や肺機能の低下に結びつくことがある。
Dale T Umetsuたちは、広く見られる真菌 Aspergillus fumigatusを吸入するとアレルギー性肺疾患が誘発されることを、マウスで確認した。このアレルギー反応に必要なのは、インバリアントナチュラルキラーT(iNKT)細胞と呼ばれる特殊な型の免疫細胞で、iNKT細胞を持たないマウスでは、真菌に曝露しても肺機能は損なわれない。このiNKT細胞は、この真菌から精製したアスペルアミドBという脂質分子を認識した。この脂質分子は、単独でマウスとヒトのiNKT細胞に直接結合して活性化するため、炎症応答を引き起こす作用があり、マウスの肺機能を低下させることがわかった。
doi: 10.1038/nm.3321
注目の論文
-
2月21日
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
2月19日
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
2月18日
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
2月13日
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature
-
2月13日
古生物学:初期の尾の短い鳥Nature
-
2月6日
遺伝学:古代のゲノムがヤムナ文化の起源の手がかりとなるNature