注目の論文
男性は齧歯類のストレスを強める
Nature Methods
2014年4月29日
Men increase stress in rodents
マウスおよびラットを男性実験者またはその衣服に接触させると、その齧歯類のストレスレベルが上昇し、実験中の動物の行動に影響が及ぶことが、今週のオンライン版の掲載論文で明らかにされる。この研究は、実験者の性別が行動研究に交絡作用を及ぼす場合があり、配慮を要することを示している。
男性実験者と女性実験者の前でマウスの反応が異なることに関して、裏付けに乏しい証拠は存在している。特に、マウスの疼痛反応は、実験者が女性ではなく男性の場合に鈍麻するといわれている。
この言説を検討するため、Jeffrey Mogilたちは、マウス・グリマス・スケール(齧歯類の疼痛の高感度な計量法)を用い、実験者が男性か女性かでマウスの疼痛反応を比較した。その結果、男性が実験を行った場合に、痛覚の著明な抑制(ストレス誘発鎮痛として知られる)が認められた。さらに調べると、この作用はヒトの汗に含まれる化学物質の混合物からの嗅覚刺激によるものであり、男性が脱いだTシャツにマウスを接触させることによって再現されることも明らかにされた。そのマウスには、コルチコステロン(ストレスホルモンの一種)のレベルおよび体温の上昇も認められ、ストレスレベルが高いことがうかがわれた。研究チームは、別の行動実験で、男性が脱いだTシャツの存在がマウスの不安を増強することをオープンフィールド試験によって観察し、男性の嗅覚刺激の影響を確認した。
doi: 10.1038/nmeth.2935
注目の論文
-
2月21日
動物学:大きな鳥は必ずしも鳥頭というわけではないScientific Reports
-
2月19日
生態学:深海の生態系を調査するNature Communications
-
2月18日
がん:CAR-T療法を受けた患者に長期寛解Nature Medicine
-
2月13日
動物の行動:カメは磁気地図が食べ物に導くと踊るNature
-
2月13日
古生物学:初期の尾の短い鳥Nature
-
2月6日
遺伝学:古代のゲノムがヤムナ文化の起源の手がかりとなるNature