注目の論文
【発生生物学】胚の輸送が硫化水素によって調節されている
Nature Communications
2014年6月11日
Developmental Biology: Hydrogen sulphide regulates embryo transport
初期胚が卵管(ファロピウス管)を通って子宮へ輸送される過程が、硫化水素シグナル伝達によって調節されていることが明らかになった。今回の研究では、子宮外妊娠と関連づけられてきた卵管輸送障害の根底をなす機構の解明が進んだ。詳細を報告する論文が、今週掲載される。
硫化水素は、アミノ酸の一種であるL-システインから3種類の酵素を介して生成され、3種類の酵素のうちの2種類は、哺乳類の雄と雌の生殖系に存在することが確認されている。
今回、Jingxin Liたちは、妊娠中のマウスにおける硫化水素シグナル伝達を薬理学的または遺伝的に遮断すると、異常妊娠が起こることを明らかにし、硫化水素を放出する薬物を投与して、異常妊娠を防いだ。
さらに、Liたちは、ヒトの卵管の切除サンプルを用い、硫化水素の産生を阻害することで卵管の運動性を抑制した。それに加えて、子宮外妊娠の女性の卵管上皮において硫化水素シグナル伝達が亢進しているという観察結果も得られた。この結果は、硫化水素代謝の調節異常が関係している可能性を示唆している。
doi: 10.1038/ncomms5107
注目の論文
-
1月21日
健康:GLP-1受容体作動薬に関連する健康上の利益とリスクの調査Nature Medicine
-
1月21日
神経科学:ブレイン・コンピューター・インターフェースを用いたバーチャルクアッドコプターの操縦試験Nature Medicine
-
1月16日
人類学:鉄器時代のブリテンにおけるケルトの「ガールパワー」Nature
-
1月14日
健康:米国における認知症リスクの増加Nature Medicine
-
1月14日
微生物学:腸内細菌が砂糖への欲求を制御している可能性があるNature Microbiology
-
1月9日
生物多様性:淡水生物の約4分の1が絶滅の危機に瀕しているNature