注目の論文
好酸球性食道炎に関連する3つの遺伝子が新たに同定された
Nature Genetics
2014年7月14日
Genetics: Three new genes linked to eosinophilic esophagitis
喉の締め付けを症状とする好酸球性食道炎(EoE)というアレルギー性炎症性疾患に関連する遺伝子多様体が新たに同定された。この結果は、好酸球性食道炎によって食道だけが影響を受ける理由を説明するうえで役立つと考えられる。詳細を報告する論文が、今週オンライン版に掲載される。
好酸球性食道炎は、食道の硬化を引き起こし、その結果、胸やけや固形物の嚥下障害が起こる。過去の研究では、好酸球性食道炎患者がアレルギー反応を起こすと食道に好酸球が蓄積することが報告されていた。好酸球は、白血球の一種で、炎症を引き起こすが、このアレルギー反応については、あまりよくわかっていない。
今回、Marc Rothenbergたちは、好酸球性食道炎に関連する遺伝子多様体を探索して、好酸球性食道炎によって食道が特異的に影響を受ける理由の解明に役立てることをめざした。その結果、これまで好酸球性食道炎と関連づけられていなかった3つのゲノム領域が同定され、これまでの研究で同定されていた第4のゲノム領域も確認された。今回新たに好酸球性食道炎と関連づけられた遺伝子の1つであるCAPN14は、食道で特異的に高発現するが、好酸球性食道炎の発症リスクに関連する多様体を持つ者はCAPN14遺伝子の発現量が少なかった。CAPN14遺伝子によって産生されるタンパク質は、アレルギー反応を含む数多くの重要な細胞機能をもたらしている。
doi: 10.1038/ng.3033
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