注目の論文
【医学研究】嚢胞性繊維症と糖尿病の結びつき
Nature Communications
2014年7月16日
Medical Research: A link between cystic fibrosis and diabetes
嚢胞性繊維症の患者が高齢になると糖尿病を頻繁に発症する理由を解明した研究について報告する論文が、今週掲載される。
嚢胞性繊維症は、CFTR遺伝子の変異によって肺の内部に粘着性粘液が蓄積することを原因としている。過去の疫学研究では、嚢胞性繊維症の患者が糖尿病を発症する頻度が高いことが明らかになっていたが、その背後にある理由は、ほとんど解明されていない。
今回、Hsiao Chang Chanたちは、CFTRが膵臓でも発現して、β細胞からのグルコース誘導性インスリン分泌を調節していることを明らかにした。また、Chanたちは、嚢胞性繊維症を治療するための実験薬を投与することで、CFTR遺伝子の変異を有するβ細胞の機能を正常な状態に回復させられることも実証した。
今回の研究は、これまで知られていなかった膵臓のβ細胞の機能に対するCFTRの寄与を明らかにし、嚢胞性繊維症に併発する糖尿病の新しい治療法の可能性も示唆している。
doi: 10.1038/ncomms5420
注目の論文
-
3月27日
医学研究:ブタから人間への肝臓移植の評価Nature
-
3月25日
神経科学:マラソンランナーは脳内のミエリンの可逆的な変化を経験するNature Metabolism
-
3月25日
加齢:健康的な加齢のための食事パターンの特定Nature Medicine
-
3月20日
神経科学:鳥の脳が明かす言語の秘密Nature
-
3月20日
創薬: 新しい抗真菌薬が多剤耐性の真菌を撃退Nature
-
3月18日
ウイルス学:FDA承認の抗ウイルス剤がマウスにおける鳥インフルエンザの転帰を改善Nature Microbiology