注目の論文
心拍の自覚
Nature Neuroscience
2009年11月2日
Heartbeat awareness
心拍のように体の内側から発する刺激を感じる神経経路が明らかになった。独特な脳損傷パターンをもつ珍しい患者の研究によるもので、Nature Neuroscience(電子版)に発表される。
以前の脳イメージング研究から、心拍のような内部刺激を感じるには、島皮質と前帯状皮質という領域のネットワークが重大な意味をもつことが報告された。島皮質は体の恒常性維持に役割を果たす脳深部の領域であり、前帯状皮質は血圧、心拍数など自律機能を制御する領域である。両者は、情動処理、その他の認知機能にもかかわっている。
S Khalsaらは、島皮質と前帯状皮質を損傷した患者であっても心拍数を上げる薬を投与すると、意外にも心拍の上昇を感知できると報告している。しかし、胸部に局所麻酔薬を投与すると、この患者はもはや心拍数の変化を感じられなかった。この研究から、皮膚を支配する神経構造は独自に心拍の自覚を監視でき、さらに島皮質と前帯状皮質は、この種の自己認識に必要とはかぎらないことが示唆される。
doi: 10.1038/nn.2411
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