Volume 466 Number 7306

Editorials

地球への負荷を許容範囲内に抑えつつ、世界人口を支える食糧を生産するには、最先端の品種改良から農作業まで、あらゆる農業レベルの研究が不可欠である。

How to feed a hungry world p.531

doi: 10.1038/466531a

カナダ政府が国勢調査を法による強制的な方法から自主的なものへ変更すると決定したが、この調査結果はさまざまな政策決定の基本であり、変更は再考すべきだ。

p.532

doi: 10.1038/466532a

News

英BP社と米国政府は、原油流出の科学的検証のために研究機関に高額な契約条件を提示したが、これにより研究の公正さが損なわれるおそれが。

p.538

doi: 10.1038/466538a

HIVの治療用ワクチンの臨床試験で、期待のもてる結果が。

p.539

doi: 10.1038/466539a

NASAの月周回衛星(ルナ・リコネサンス・オービター)が、クレーター調査でも大きな成果を。

A closer look at cosmic impacts p.540

doi: 10.1038/466540a

期待を集めた細胞内の全酵素活性解析用チップの論文に、撤回勧告が。

p.540

doi: 10.1038/466540b

米国エネルギー省が、太陽光を直接、水素などの燃料に変える「人工光合成」技術の研究へ。

p.541

doi: 10.1038/466541a

EUの遺伝子組み換え作物認可方式変更の提案に、多方面から反対の声が。

p.542

doi: 10.1038/466542a

米国の科学者が、論文発表が産業スパイ行為に当たるとして逮捕され、裁判に。

p.542

doi: 10.1038/466542b

米国のタンパク質構造イニシアチブ(PSI)が、解明が困難なヒト受容体の構造に重点を。

p.544

doi: 10.1038/466544a

News Features

食糧問題:深刻化する問題

The growing problem p.546

世界の食糧難は重大な問題だが、その理由は一般に考えられているのとは少し違っている。

doi: 10.1038/466546a

食糧問題:工場の温室の中で

p.548

世界を養っていくには、農業バイオテクノロジー企業の科学力、資金力が必要になるが、その準備はあるのだろうか。

doi: 10.1038/466548a

食糧問題:地下革命

An underground revolution p.552

環境に負荷をかけずに作物収量を増やそうと、育種家の関心が根に向けられている。

doi: 10.1038/466552a

食糧問題:世界の農場

p.554

豊かな太陽、水、国土に恵まれたブラジルは、食糧の生産と輸出で躍進を続けているが、アマゾンを破壊せずに、これを持続できるのだろうか。

doi: 10.1038/466554a

News & Views

再生医療:失明の治療に注目

p.567

幹細胞研究は生物学における最もホットな分野の1つである。だが、このような研究は治療的な意味で価値があるのだろうか。幸いなことに、その答えはイエスであり、失明の治療が成功したことで明らかになった。

doi: 10.1038/466567a

地震:気候とプレート内地震

p.568

米国の中心地域は大陸プレート内部に存在しており、このプレートの一部は、地質学的時間としては「最近」起こった大規模な地震を経験している。こうした事象についての説明はまだ見つかっていない。

doi: 10.1038/466568a

海洋学:植物プランクトン変化の100年

p.569

植物プランクトンバイオマスは海洋生態系の健全度の重要な尺度である。100年以上もさかのぼって関連する種々のデータをうまく合成したところ、気候変動とバイオマスが連動していることが明らかになった。

doi: 10.1038/466569a

代謝:チクタク動くはβ細胞の時計

p.571

1日の明暗周期は、概日時計の活動を介して、正常な生理的機能の多くに影響を与える。膵臓は自身の時計をもっており、これがエネルギーの変動に対応していることがわかってきた。

doi: 10.1038/466571a

凝縮系物理学:ノイズをもたらす

p.572

ノイズは普通、測定の際の悩みの種と見なされている。しかし、巧妙な実験により、電荷移動におけるノイズの増加を介して、材料のエキゾチックな電子状態についてのずっと以前からの予測が確証された。

doi: 10.1038/466572a

Articles

物理:分数量子ホール領域における中性モードの観測

Observation of neutral modes in the fractional quantum Hall regime p.585

doi: 10.1038/nature09277

環境:過去100年間にわたる全球的な植物プランクトン減少

Global phytoplankton decline over the past century p.591

doi: 10.1038/nature09268

Letters

物理:強く相互作用するボソンからなるラッティンジャー液体の「ピン止め」量子相転移

Pinning quantum phase transition for a Luttinger liquid of strongly interacting bosons p.597

doi: 10.1038/nature09259

量子情報科学:直列接続した光子対源を使ったもつれた3光子の直接発生

Direct generation of photon triplets using cascaded photon-pair sources p.601

doi: 10.1038/nature09175

化学:高次高調波干渉法を用いて化学反応を追跡する

Following a chemical reaction using high-harmonic interferometry p.604

doi: 10.1038/nature09185

地球:ニューマドリッド地震活動の引き金となった更新世後期の浸食

Triggering of New Madrid seismicity by late-Pleistocene erosion p.608

doi: 10.1038/nature09258

進化:ニワトリのZ染色体とヒトのX染色体の、拡大と遺伝子獲得による収斂進化

Convergent evolution of chicken Z and human X chromosomes by expansion and gene acquisition p.612

doi: 10.1038/nature09172

脳:微小スケールの皮質ネットワークにおける疎な符号化と高次の相関活動

Sparse coding and high-order correlations in fine-scale cortical networks p.617

doi: 10.1038/nature09178

神経:大脳基底核回路の光遺伝学的制御によるパーキンソン病の運動行動の調節

Regulation of parkinsonian motor behaviours by optogenetic control of basal ganglia circuitry p.622

doi: 10.1038/nature09159

生理:時計因子CLOCKおよびBMAL1の障害は低インスリン血症および糖尿病を引き起こす

Disruption of the clock components CLOCK and BMAL1 leads to hypoinsulinaemia and diabetes p.627

doi: 10.1038/nature09253

医学:異種間ゲノミクスによりドライバー変異と細胞区画を組み合わせて上衣腫のモデルを作製

Cross-species genomics matches driver mutations and cell compartments to model ependymoma p.632

doi: 10.1038/nature09173

細胞:疾患変異型LRRK2はマイクロRNAを介した翻訳抑制を負に調節する

Pathogenic LRRK2 negatively regulates microRNA-mediated translational repression p.637

doi: 10.1038/nature09191

遺伝:遺伝子末端に結合する新種のヒトRNAは新規RNA複写機構の存在を示唆している

New class of gene-termini-associated human RNAs suggests a novel RNA copying mechanism p.642

doi: 10.1038/nature09190

顕微鏡法:ナノメートル以下の単一分子の位置特定、レジストレーションおよび距離測定

Subnanometre single-molecule localization, registration and distance measurements p.647

doi: 10.1038/nature09163

Review Article

宇宙:ガリレオとケプラー以降の惑星科学の400年

The four hundred years of planetary science since Galileo and Kepler p.575

doi: 10.1038/nature09215

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