Nature ハイライト 進化:性染色体のダイナミックな進化 2010年7月29日 Nature 466, 7306 鳥類と哺乳類は異なった性染色体をもっている。鳥類では、雄は2本のZ染色体を、雌はZとW染色体を1本ずつもつ。哺乳類では、雄はXY、雌はXXである。性染色体の進化に関しては、性特異的なWおよびY染色体では劇的な変化が起こったが、雌雄に共通するZおよびX染色体では比較的小さな変化しか起こらなかったと、長い間考えられてきた。しかし、ニワトリのZ染色体の塩基配列を解読してヒトX染色体の完全塩基配列と比較した新しい研究によれば、話は違うらしい。Z染色体とX染色体は、もとになった常染色体(性染色体ではない染色体)から大幅な変化を遂げてきたことが明らかになったのである。これらはまた、祖先ゲノムの異なる部分から独立に進化したものであるにもかかわらず、精巣で発現される遺伝子ファミリーの獲得や増幅などを含め、収斂進化の道筋をたどってきたらしい。 2010年7月29日号の Nature ハイライト 宇宙:太陽系探求の歴史 環境:減少する植物プランクトン 量子情報科学:光子3つの量子もつれ 地球:ニューマドリッド地震活動 進化:性染色体のダイナミックな進化 医学:糖尿病にかかわる生物時計 細胞:パーキンソン病でのマイクロRNAの働き 遺伝:新種の低分子RNA 顕微鏡法:分子1個を見る 目次へ戻る