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免疫学:T細胞分化における二次胆汁酸の役割

Nature 576, 7785

一次胆汁酸は肝臓で作られ、二次胆汁酸は大腸の細菌の働きによって生じる。これらは、小腸での脂質吸収、殺菌作用、上皮炎症に対する影響など、広範な活性を持つことが知られている。J Huhたちは今回、ヒトの腸内で細菌の酵素によって通常生成される2つの胆汁酸誘導体が、マウスの初代T細胞に直接作用して、それぞれTH17細胞分化を阻害もしくはTreg細胞分化を増加させることを実証している。この知見は、この2つの胆汁酸を産生する酵素活性を持つ微生物相の群集が、腸粘膜における抗炎症性の微小環境を促進し、その結果として宿主免疫の恒常性に貢献する可能性を予測している。有用な胆汁酸の合成に関与する細菌や、その酵素経路を特定すれば、将来的に自己免疫疾患や他の炎症状態に対する新規治療法の開発に向けて応用できる可能性がある。

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