Nature ハイライト
進化学:エチオピアの初期のホモ・サピエンスのより正確な年代
Nature 601, 7894
外見が最も現代的な初期のホモ・サピエンス(Homo sapiens)の化石は、エチオピアのオモ・キビシュおよびヘルトで出土したもので、年代はそれぞれ約19万7000年前および約16万~15万5000年前とされている。しかし、こうした年代推定の根拠となる層序関係には、単に地質学的な理由だけでなく、モロッコのジェベル・イルードのヒト化石の年代が約35万年前とされるなど、現在ではホモ・サピエンスがより古くから存在したと考えられているため、異論がある。今回C Vidalたちは、オモの化石が出土した堆積層のすぐ上の地層を、エチオピアの火山噴火で放出された物質と相関させることで、年代の見直しを行った。その結果、オモの化石の年代は少なくとも23万3000 ± 2万2000年前であることが示された。
2022年1月27日号の Nature ハイライト
エネルギー科学:電池の力で高く飛ぶ
量子物理学:量子コンピューターにおける時間結晶
量子物理学:極低温原子も優れた量子ビットになる可能性
光物理学:誤差逆伝播法で物理系を訓練する
流体力学:高温固体の冷却
進化学:エチオピアの初期のホモ・サピエンスのより正確な年代
考古学:新石器時代のブリテン島における家族構成
古代DNA:ブリテン島を巡る青銅器時代の人の流れ
神経科学:嗅覚で駆動される空間地図
発生生物学:ヒトブラストイドにより不妊研究に明るい見通し
がん:アンサンブルオミクスでがん治療応答を予測する
遺伝子調節:ショウジョウバエ脳の単一細胞マルチオミクスのアトラス
分子生物学:加齢はタンパク質恒常性を損なう
構造生物学:DNA-PKcsの高分解能クライオ電子顕微鏡構造から明らかになった阻害剤の作用様式
構造生物学:光合成光化学系の電子伝達を担う超複合体の構造