Nature ハイライト

発生生物学:ヒトブラストイドにより不妊研究に明るい見通し

Nature 601, 7894

初期の妊娠喪失は多くの場合、胚が母親の子宮に着床できないことが原因である。ヒト胚が子宮壁に接着して、着床・発生する仕組みについての我々の理解は限られており、これは特に、ヒト胚の研究を取り巻く技術的・倫理的制限のためである。最近、ヒト初期胚のin vitroモデルであるヒトブラストイドの作製が報告されたが、これが不妊研究のロバストなモデルとなるには、さらに多くの研究が必要である。N Rivronたちは今回、再現性のある高い効率(70%以上)でヒトブラストイドを作製するプロトコルを報告している。これらのブラストイドは、in vitroでの子宮細胞への接着や、胚発生の最長13日までの着床前後の発生など、ヒトの初期発生を再現することが示された。この効率の高さと再現性を考えると、今回のプロトコルは着床の失敗や救済のハイスループット研究の道を開くだろう。

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