Nature ハイライト
遺伝学:制約のあるゲノム領域の外に偏る変異
Nature 602, 7895
進化論の大前提として、変異はゲノム中でランダムに起こり、変異の分布や変異速度に見られる偏りは選択圧の結果である(そのため、機能的に重要または必須なゲノム領域では変異が非常に少なくなる)とされている。D Weigelたちは今回、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の変異蓄積株で(複数世代の自然選択を受ける前に)de novo変異のデータを集め、この基本的な前提を検証した。彼らは、ゲノム領域での変異確率にはエピゲノム特性が関連しており、これらは遺伝子本体での変異確率の低下を予測すると報告している。また、3種類の独立したデータセットにおいて、遺伝子本体(より具体的には5′と3′非翻訳領域)では変異速度が低下し、この傾向は必須遺伝子で特に顕著であることが確認された。
2022年2月3日号の Nature ハイライト
ナノスケール材料:モアレ物質におけるねじれの再現性
遺伝学:オープンサイエンスによるイヌの老化研究
素粒子物理学:大幅に引き上げられた磁気単極子の質量の下限
物性物理学:人工的にゲージ場を創り出す
化学工学:選択的硫化に基づく金属の分離
ナノスケール材料:ナノスケールの水流における量子摩擦
遺伝学:制約のあるゲノム領域の外に偏る変異
遺伝学:宿主の防御効果はマラリア原虫の遺伝型によって変わる
神経科学:発話計画の脳内回路
神経科学:グリッド細胞の集団活動を可視化する
発生生物学:心臓中胚葉分化のエピジェネティック制御
微生物学:耐性菌の出現は抗生物質の臨床使用よりも古い
ウイルス学:ペタ塩基規模のデータベースに潜んでいた多数の新規RNA
コロナウイルス:SARS-CoV-2特異的な長期生存記憶T細胞
免疫学:幹細胞様の自己免疫性前駆細胞は1型糖尿病を誘発する
がん:血液がんの進化のタイミング