Nature ハイライト

Cover Story:ヒッグスボソンの10年:物理学における最も捉えにくい素粒子の性質を調べる

Nature 607, 7917

2012年7月4日、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の研究者たちは、待ち望まれていた発表を行った。ヒッグスボソンの存在を裏付ける証拠がついに得られたのである。今回、LHCの2つの主要な実験チームが、ヒッグスボソンの発見以降に集められた全データの解析結果を提示している。素粒子物理学の標準模型は、ヒッグスボソンと任意の粒子の結合は質量に比例するはずであると予測しており、CMS実験とATLAS実験の結果は、観測できた重い素粒子については、データが予測と一致していることを示している。Perspectiveではさらに、ヒッグスボソンについて我々がこれまでに学んだこと、そして、基礎物理学の最も重要な未解決問題のいくつかに取り組む上で、ヒッグスボソンのより詳しい調査がいかに重要となり得るかが概説されている。

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