Nature ハイライト
Cover Story:ヒッグスボソンの10年:物理学における最も捉えにくい素粒子の性質を調べる
Nature 607, 7917
2012年7月4日、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)の研究者たちは、待ち望まれていた発表を行った。ヒッグスボソンの存在を裏付ける証拠がついに得られたのである。今回、LHCの2つの主要な実験チームが、ヒッグスボソンの発見以降に集められた全データの解析結果を提示している。素粒子物理学の標準模型は、ヒッグスボソンと任意の粒子の結合は質量に比例するはずであると予測しており、CMS実験とATLAS実験の結果は、観測できた重い素粒子については、データが予測と一致していることを示している。Perspectiveではさらに、ヒッグスボソンについて我々がこれまでに学んだこと、そして、基礎物理学の最も重要な未解決問題のいくつかに取り組む上で、ヒッグスボソンのより詳しい調査がいかに重要となり得るかが概説されている。
2022年7月7日号の Nature ハイライト
天体物理学:初代クエーサーは低温降着流から生じた
量子物理学:33 kmにわたるエンタングルメントの長距離配送
動物行動学:大型の鳥は失速をうまく利用して止まり木に止まる
遺伝学:COVID-19重症化の素因となる宿主因子
神経科学:かゆみ感覚の新たな経路
微生物学:海洋における微生物の生合成能
コロナウイルス:SARS-CoV-2オミクロンBA.2株の病原性と治療感受性
コロナウイルス:mRNAワクチンの3回接種による記憶B細胞応答の増強
免疫学:記憶CD8+ T細胞の運命を負に制御する因子
免疫学:樹状細胞前駆細胞が分岐する仕組み
腫瘍免疫学:免疫ペプチドーム解読による腫瘍抗原の解析
医学研究:腫瘍転移は休息中に促進される
がん:膵臓がんの不均一性を維持するシグナル伝達機構
がん遺伝学:刷子細胞の発生に不可欠なコアクチベーターの特定
遺伝学:遠位エンハンサーとプロモーターの組み合わせによる制御の法則
分子生物学:eIF1AとeIF5Bの接触がリボソームの会合を助ける
構造生物学:IV型分泌系(T4SS)のクライオ電子顕微鏡構造