Nature ハイライト

Cover Story:ファンキーなワーム:2億2000万年前のアシナシイモリ類化石が両生類の進化のリズムを精緻化する

Nature 614, 7946

三畳紀のステム群アシナシイモリ類<i>Funcusvermis gilmorei</i>(手前)と、同じ環境に生息した主竜類の<i>Acaenasuchus geoffreyi</i>(後方)の想像図。
三畳紀のステム群アシナシイモリ類Funcusvermis gilmorei(手前)と、同じ環境に生息した主竜類のAcaenasuchus geoffreyi(後方)の想像図。 | 拡大する

Andrey Atuchin, the National Park Service, and the Petrified Forest Museum Association.

肢がなく、蠕虫に似た両生類であるアシナシイモリ類の進化上の起源は、よく分かっていない。今回B Kligmanたちは、この問題の解決に役立つ可能性がある、年代が2億2000万年前の既知最古のアシナシイモリ類の化石について報告している。彼らは、米国アリゾナ州にある化石の森国立公園の後期三畳紀のチンル層において、約76個体分のアシナシイモリ類の化石を発見した。Funcusvermis gilmoreiと名付けられたこの新属新種は、現生のアシナシイモリ類の共通祖先に見られる特徴と、ディッソロフス類分椎類という4本の肢を持つ絶滅両生類群に見られる特徴を併せ持つ。しかし、F. gilmoreiは、現生アシナシイモリ類に見られるいくつかの特徴を欠いてもおり、現生アシナシイモリ類と絶滅四肢類の間の空白を埋めるものであることが示唆される。表紙は、F. gilmoreiの想像図で、背景には当時同じ環境に生息していた主竜類のAcaenasuchus geoffreyiが描かれている。

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