Nature ハイライト
Cover Story:ファンキーなワーム:2億2000万年前のアシナシイモリ類化石が両生類の進化のリズムを精緻化する
Nature 614, 7946
肢がなく、蠕虫に似た両生類であるアシナシイモリ類の進化上の起源は、よく分かっていない。今回B Kligmanたちは、この問題の解決に役立つ可能性がある、年代が2億2000万年前の既知最古のアシナシイモリ類の化石について報告している。彼らは、米国アリゾナ州にある化石の森国立公園の後期三畳紀のチンル層において、約76個体分のアシナシイモリ類の化石を発見した。Funcusvermis gilmoreiと名付けられたこの新属新種は、現生のアシナシイモリ類の共通祖先に見られる特徴と、ディッソロフス類分椎類という4本の肢を持つ絶滅両生類群に見られる特徴を併せ持つ。しかし、F. gilmoreiは、現生アシナシイモリ類に見られるいくつかの特徴を欠いてもおり、現生アシナシイモリ類と絶滅四肢類の間の空白を埋めるものであることが示唆される。表紙は、F. gilmoreiの想像図で、背景には当時同じ環境に生息していた主竜類のAcaenasuchus geoffreyiが描かれている。
2023年2月2日号の Nature ハイライト
天文学:外層を失った超新星から生じる連星中性子星
素粒子物理学:自由陽子で測定された形状因子
原子物理学:極低温分子に見つかったフェッシュバッハ共鳴
原子物理学:極低温極性分子におけるフェッシュバッハ共鳴の制御
量子物理学:光格子内の極低温分子ダイナミクス
量子物理学:極低温分子気体による多体遍歴スピンモデルのシミュレーション
材料科学:縦型フルカラーマイクロLED
ナノスケール材料:閉じ込め成長によるウエハースケールの積層体
ナノスケール材料:長距離秩序を持つ多孔質炭素をフラーレンから合成
神経科学:自発行動でも教師信号を演じるドーパミン
代謝:抹消性ニューロパチーの新たなリスク因子
微生物学:同居人のマイクロバイオームは似ている
腫瘍生物学:治療効果の高い時間帯を狙え
細胞生物学:合成細胞接着分子ツールキット
細胞生物学:酵母ミトコンドリアのコンプレクソーム
生化学:ポリソームと結合した小胞体膜のトランスロコン複合体
生化学:新たなIII型CRISPR系抗ファージ経路
構造生物学:真核生物のミトリボソーム小サブユニットの組み立て過程