Nature ハイライト

Cover Story:濁った水:人工衛星画像によって明らかになった海洋の藻類ブルームの増加

Nature 615, 7951

人工衛星が捉えた沿岸海域の植物プランクトンブルーム。
人工衛星が捉えた沿岸海域の植物プランクトンブルーム。 | 拡大する

Lian Feng

表紙は、2017年に米国アラスカ沖で発生した藻類の大増殖(ブルーム)の画像である。植物プランクトンのブルームは、水系の表面層における微細な藻類の集積である。藻類ブルームは、他の生物に食物や栄養素を供給し得るが、深刻な環境問題の原因にもなり得る。今回L Fengたちは、沿岸海域のブルームの分布と傾向の包括的なマップについて報告している。彼らは、NASAのAqua衛星が2003〜2020年に捉えた76万枚の画像を評価し、調べた沿岸国153カ国のうち126カ国でブルームを特定した。その結果、2003〜2020年にブルームの影響を受けた水域が13.6%拡大したこと、そして、こうしたブルームの頻度の増大と海洋循環の変化や海面水温の上昇が相関していることが見いだされた。

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