Nature ハイライト
素粒子物理学:陽子内部の質量分布を探る
Nature 615, 7954
陽子は基本粒子ではない。そのため、陽子の電荷半径や質量のような物理的性質は、陽子を構成するクォークやグルーオンから生じるはずだが、その仕組みの理解はまだその途上にある。今回Z Mezianiたちは、内部のグルーオンから生じる陽子の重力質量半径を初めて測定している。その結果、陽子は、クォークの運動によって決まるより大きな電荷体積に囲まれた、内部の高密度で大質量のグルーオンコアから形成されていることが分かった。
2023年3月30日号の Nature ハイライト
天文学:SZ効果で探る宇宙の構造の熱的進化
素粒子物理学:陽子内部の質量分布を探る
量子物理学:シリコン中のキュービットで実現された汎用量子論理
工学:CMOS集積メモリスターにおける数千通りのコンダクタンス状態
材料科学:明るくて安定な近赤外ペロブスカイトLED
生物物理学:光合成複合体における初期の電子抽出
気候科学:南極の雪解け水がもたらす海洋循環の減速と温暖化
生物地球化学:全球の陸域炭素シンクの不安定化
惑星科学:地球への水の運搬を制限する微惑星の分化
生態学:海洋温暖化が浅海サンゴ礁生物に及ぼす影響
健康科学:都市生活の恩恵の伸び悩み
神経科学:タンパク質ベースの新型カルシウムインジケーター
神経科学:移ろいゆく風景と神経ネットワーク
発生生物学:雄マウスから機能的卵母細胞を作製
免疫学:FcμRによる各種IgMの認識機構
がん:メニン阻害による新たながん治療戦略
分子生物学:全ゲノム倍加がもたらす発がん性のクロマチン進化
構造生物学:4種類の呼吸鎖が協力してミトコンドリア膜をカーブさせる