Nature ハイライト

Cover Story:パンクな化石:棘のある3D化石によって初期の軟体動物がより多様に

Nature 637, 8046

パンク(<i>Punk ferox</i>、左上)とエモ(<i>Emo vorticaudum</i>、右下)。
パンク(Punk ferox、左上)とエモ(Emo vorticaudum、右下)。 | 拡大する

Sutton et al. Nature (2025)

軟体動物は、動物界において、節足動物(昆虫類、クモ類、その他の無脊椎動物)に次いで2番目に多様な動物群だが、その進化の歴史には不明な点が多い。これは主に、軟体動物の軟組織の化石記録の保存状態が悪いためである。今週号では、M Suttonたちが約4億3000万年前の軟体動物化石2新種を記載報告している。英国ヘレフォードシャーで発見されたこれら2種の化石は、三次元的に保存されており、Suttonたちはこれを解析して、仮想化石として表紙の画像のように再構築することができた。これらの新種は、独特な棘(骨針)が特徴的な蠕虫様の生物である。著者たちは、そのうちの1種を、パンクロックのヘアスタイルを彷彿とさせる棘を持つことから「パンク(Punk)」と名付け(表紙左)、もう1種は、エモという音楽ジャンルに関連付けられる長い前髪に似た棘を持つことから「エモ(Emo)」と名付けた(表紙右)。このパンクとエモの発見は、初期の軟体動物が現生種よりもさらに多様な動物群だったことを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度