Nature ハイライト

Cover Story:見知らぬ光景:JWSTの赤外線観測能力により、これまで検出できなかった多数の小惑星が捉えられた

Nature 638, 8049

小惑星の検出と監視は、地球を衝突から守る上で重要である。主小惑星帯(メインベルト)にある直径1 km以上の大きな天体は、比較的容易に発見・監視できる。しかし、直径10 m未満の小さい天体は、地球近傍に頻繁に接近する可能性があるにもかかわらず、はるかに捉えにくい。今週号ではA BurdanovとJ de Witたちが、標準的な検出手法ではこれまで見えなかった、メインベルトの138個の小惑星を検出したことを報告している。研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の赤外線観測能力を活用して、複数の画像を合成するなどの合成追跡技術と組み合わせることで、こうした未確認の小惑星を捉えることに成功した。著者たちは、地球に衝突する可能性を持つ天体を監視・研究できるJWSTの能力は、将来の惑星防衛への取り組みにおいて重要な役割を果たす可能性があると示唆している。

2025年2月6日号の Nature ハイライト

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