Nature ハイライト
Cover Story:腸内から読み解くアフリカ:ゲノム情報資源によってアフリカ大陸全域の腸内マイクロバイオームが明らかに
Nature 638, 8051
大規模な集団を対象に研究を行うことで、遺伝的特徴、環境、ライフスタイルといった要因が腸内マイクロバイオームの組成にどのような影響を与えるかを明らかにすることができる。しかし、低・中所得国には世界人口の約85%が居住しているにもかかわらず、こうした国々は、この種の研究において相対的に十分反映されていない。今週号では、A BhattとS Hazelhurstたちが、この不均衡をいくらか是正しており、ブルキナファソ、ガーナ、ケニア、南アフリカの1801人の女性を対象とした腸内マイクロバイオーム研究の結果について報告している。研究者たちは約1000例の細菌ゲノムのアセンブリを行い、一部の種の変異を地理的要因やライフスタイル要因と関連付けることができた。この研究は、アフリカ人の腸メタゲノムに関する集団代表的調査としては、過去最大規模のものである。表紙は、今回の知見を表現した手織りの敷物で、電話線で作られた、伝統的なズールーバスケットの現代風アレンジである。
2025年2月20日号の Nature ハイライト
惑星科学:サブネプチューン系外惑星からの水素散逸
素粒子物理学:ニュートリノ波束の空間的広がりを直接測定
太陽電池:水を用いてペロブスカイト太陽電池をリサイクル
電池:有機リチウム塩の追加による性能と寿命の向上
生体材料:生分解性亜鉛合金の高強度化
触媒:触媒担体の保護による安定かつ効率的な水素生成
化学:芳香族化合物の開環メタセシス
生態学:遺伝的多様性の全球的な喪失
古代ゲノミクス:4万5000年前のヨーロッパにおける血縁関係
がんゲノミクス:変異原性DNA損傷の持続性
神経科学:エピソード記憶は空間記憶の転用か
植物科学:カルシウム振動の微調整が共生開始のカギ
免疫学:RELMβは経口免疫寛容の重要な調節因子である
健康科学:がんの診断と予後予測に使える視覚–言語基盤モデル
遺伝学:深層学習によりゲノム規模でのシス調節エレメントの動態を予測する
生物工学:膜タンパク質分解のための二機能性キメラ抗体
生物工学:可溶性リガンドを捉える改変受容体
細胞生物学:減数分裂に重要な働きをするサテライトDNAが急激に進化できる仕組み
生化学:重要だが反応速度が遅いルビスコを改良する企て