Nature ハイライト
Cover Story:ウミガメの想起力:アカウミガメは航路決定の助けとして磁気地図を学習する
Nature 638, 8052
ウミガメは長距離の移動後であっても容易に摂餌場へ戻ることができる。ウミガメがこの航路決定の芸当をいかに達成するかはいまだ解明されていないが、地球の磁場を道しるべとして使っていると考えられている。今週号では、K Goforthたちが、若いアカウミガメ(Caretta caretta、表紙画像)が特定の地域の磁気的特徴を学習できることを明らかにしている。研究者たちは、アカウミガメの幼若個体に対し、ある実際の地理的位置に対応する特定の磁気的特徴にさらされた場合には食物を期待し、別の磁気的特徴に対しては食物を期待しないよう教えた。その結果、これらの個体はこれらの磁気的特徴に対して異なる反応を示し、食物と関連付けられた磁気的特徴に触れた際には特徴的な「ウミガメダンス」を行った。これは、ウミガメが内なる磁気地図を作製して航路決定に役立てていることを示唆している。
2025年2月27日号の Nature ハイライト
量子コンピューティング:実用的なフォトニック量子コンピューターのプロトタイプ
量子コンピューティング:ブレークイーブンしきい値を超えたフォトニック量子コンピューター
量子コンピューティング:ボソニックキュービットによる量子誤り訂正の高効率化
光学手法:複数の微量ガス分子の同時センシング
二次元材料:さまざまな基板上での単結晶遷移金属ジカルコゲニドの成長
冶金学:広い温度範囲で使用可能な軽量形状記憶合金
材料化学:CO2除去材料を形成する反応
化学:中間体のバーチャルアセスメントを利用した生物活性分子の合成
気候科学:極端気候の下でも崩壊しない大西洋の南北方向の鉛直循環
生態学:温度変化は種の入れ替わりを加速させる
生物地球化学:有孔虫類が地球のリン循環に果たす重要な役割
神経科学:学習は休み休みやるのが良い
免疫学:皮膚共生細菌と共存するための宿主免疫戦略
免疫学:皮膚常在菌を利用した局所ワクチン
計算生物学:発現プロファイルの類似した細胞を探し出す基盤モデル
医学研究:mRNA品質管理はがんの新たな合成致死性となる
がん:転写因子の相分離を標的とした新たながん治療法
生化学:レトロエレメントDGRが多様性を生み出す仕組み
構造生物学:エストロゲン受容体の活性化機構