Nature ハイライト 物性:グラフェンでのスピン輸送 2007年8月2日 Nature 448, 7153 グラフェンは、炭素原子1個の厚みしかないシート状のグラファイトだが、単層または数層のグラフェン中での電子輸送は、大きな注目を集めている。スピントロニクスでは電子のスピンと電荷の両方が新規デバイスに使われるが、グラフェンはそのような応用に有望な材料と考えられている。Tombrosらは、単層グラフェンにおける電子スピン輸送に関する研究を行い、この方面に進展をもたらした。この実験で使われた、グラフェンシートを薄い絶縁体層を介して強磁性コバルト電極と接触させた系では、電子スピンを1〜2 μmの距離にわたって輸送でき、電子的特性がもっとよいサンプルを用いれば、さらに長距離にわたる輸送も可能になると思われる。 2007年8月2日号の Nature ハイライト 脳:脳損傷後の刺激で意識回復を狙う 遺伝:クロマチン・プロファイリング 細胞:違いをシグナル伝達 細胞:肺癌とALK 物性:グラフェンでのスピン輸送 地球:剪断応力が起こす微動 進化:最古の硬骨魚類の顎と歯 進化:ミクロな規模のマクロな進化 遺伝:新たな糖尿病遺伝子の発見 物理:秩序と無秩序 目次へ戻る