Nature ハイライト 宇宙:小惑星はなぜ赤い 2009年4月23日 Nature 458, 7241 小惑星は、それらに由来する隕石よりもずっと「赤く」見える。この現象の説明とされているのは、小惑星表面の「宇宙風化作用」だが、これにかかわる実際の過程や時間スケールについては、はっきりしていない。今回、2つの若い小惑星族のスペクトル特性が新たに測定され、宇宙風化作用は、どんなものであるにしろ、非常に速やかに進行する過程にちがいないことが明らかになった。これらの小惑星はダチュラ群とルーカスキャビン群で、破壊的な衝突の際に誕生してから100万年以内に、ほぼ最終的な赤色に到達していた。この短い時間スケールからすると、宇宙風化作用の主な機構は太陽風の注入によると考えるのが当を得ているようで、小惑星間の色の違いは、年齢の関数というよりは、表面組成が原因であることが示唆された。 2009年4月23日号の Nature ハイライト 医学:デング熱ウイルスが必要とする宿主因子 発生:Notch経路を個別に調べる 宇宙:小惑星はなぜ赤い 工学:誘電力を感じる 化学:大きなリュードベリ分子 環境:中国の炭素収支 生態:競争と生物多様性 医学:抗菌剤によるHIV/AIDSの予防 生理:嚢胞性繊維症での肺疾患の起こりやすくする変更遺伝子 目次へ戻る