Nature ハイライト 古生態:オポッサムの社会史 2011年6月2日 Nature 474, 7349 オポッサム科有袋類は単独行動性の哺乳類であり、この行動形質は有袋類の原始的な特性と考えられることが多い。しかし、ボリビアの暁新世前期層(約6,400万年前)で、有袋類に近縁なネズミ大の原始的哺乳類Pucadelphys andinusの大量化石群が見つかり、こうした見方は変わりそうである。この化石群では狭い範囲に35個体の標本が寄り集まっており、1回の自然事象によって埋没したと見られる。さらに、見つかった化石標本の数は一部の現生有袋類の標本数を上回るほど多く、その意味でもこの発見は注目される。 2011年6月2日号の Nature ハイライト 構造生物学:病原性大腸菌の線毛構造 工学:グラフェン系フォトニックチップ 地球:白紙に戻ったスノーボールアースの出口 地球:氷の下のフィヨルド 考古:アウストラロピテクス類の移動を示す歯の記録 生態:地底に棲む線虫類 古生態:オポッサムの社会史 進化:潜在的変異で事態に備える 神経:初期の神経発達 目次へ戻る