Nature ハイライト
宇宙:超新星の伴星はどういう星?
Nature 480, 7377
回転花火銀河にある超新星2011feは、2011年8月24日にパロマー山天文台の全自動掃天システム(Palomar Transient Factory)によって発見された。これは、長年にわたって地球から観測されてきたIa型超新星の中で最も明るいものである。Ia型超新星は、連星系中で物質を降着中の白色矮星が熱核爆発を起こした結果生じると考えられている。しかし、伴星の詳しい性質や、超新星となる前の連星系の物理的な特徴はほとんどわかっていない。SN 2011feの観測に関する2つの新しい報告は、未解明の伴星に対して考えられる可能性を絞り込むものとなっている。P E Nugentたちは、Ia型超新星から今までに得られた最初期のデータの一部を発表し、爆発した星はおそらく炭素酸素白色矮星で、初期の衝撃波がないことから伴星は主系列星だろうと推論している。W Liたちは、ハッブル宇宙望遠鏡アーカイブ中の超新星発見前の画像を解析して、爆発前には天体が認められないことを見いだしている。このことは、爆発する白色矮星へ質量を供給する伴星候補から、明るい赤色巨星や大部分のヘリウム星が除外されることを示している。
2011年12月15日号の Nature ハイライト
脳:音による恐怖学習の神経回路
構造生物学:抗体を結合したgp120エピトープの構造
宇宙:超新星の伴星はどういう星?
物理:弱い高周波信号の無雑音増幅
物理:実際の粉粒体系におけるジャミング
進化:軟体動物の中の類縁関係
医学:SAMHD1タンパク質の抗レトロウイルス機能
医学:RAF阻害剤抵抗性の機序
細胞:RNAiの核での役割