Nature ハイライト

遺伝:XISTによる余剰染色体のサイレンシング

Nature 500, 7462

哺乳類の雌では、XISTとして知られる非コード長鎖RNAが、2つのX染色体の片方の遺伝子転写をサイレンシングする。X染色体の遺伝子量が2倍になると有害となる可能性があるため、こうしたX染色体不活性化は重要である。ダウン症候群は、第21染色体が3つ存在することにより引き起こされる。今回J Lawrenceたちは、ダウン症候群患者由来の多能性幹細胞の第21染色体に、ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いて誘導性XIST遺伝子を挿入した。その結果、XISTがコードするRNAが第21染色体の1つを包み込み、遺伝子サイレンシングが誘導された。このことは、ダウン症候群などの染色体疾患の研究や遺伝子治療の研究にこの手法が役立つ可能性を示唆している。

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