Nature ハイライト
遺伝:XISTによる余剰染色体のサイレンシング
Nature 500, 7462
哺乳類の雌では、XISTとして知られる非コード長鎖RNAが、2つのX染色体の片方の遺伝子転写をサイレンシングする。X染色体の遺伝子量が2倍になると有害となる可能性があるため、こうしたX染色体不活性化は重要である。ダウン症候群は、第21染色体が3つ存在することにより引き起こされる。今回J Lawrenceたちは、ダウン症候群患者由来の多能性幹細胞の第21染色体に、ジンクフィンガーヌクレアーゼを用いて誘導性XIST遺伝子を挿入した。その結果、XISTがコードするRNAが第21染色体の1つを包み込み、遺伝子サイレンシングが誘導された。このことは、ダウン症候群などの染色体疾患の研究や遺伝子治療の研究にこの手法が役立つ可能性を示唆している。
2013年8月15日号の Nature ハイライト
遺伝:XISTによる余剰染色体のサイレンシング
システム生物学:代謝にサイクリックAMPが担う包括的役割
宇宙:自転するマグネターのスペクトル解析
量子情報科学:効率の良いオンデマンドのテレポーテーション
気候:気温が上昇しても、気候は予測できる
遺伝:アブラヤシのゲノムから明らかになったその栽培史
微生物学:分泌系T6SSが毒素を送り込む仕組み
細胞生物学:プログラム細胞死に至る2つの道
構造生物学:TボックスのtRNA結合部位の構造