Nature ハイライト
古生物学:脊椎動物の「顔」の進化
Nature 502, 7470

Credit: Brian Choo
顎の発達は脊椎動物の進化における重要な出来事である。しかし、有顎脊椎動物と無顎脊椎動物の形態の隔たりが極めて大きいため、顎の進化で起こった個々の段階を明らかにすることは難しい。この解明には化石記録が有用となり得る。今回M Zhuたちは、顎ができる過程の完了に近い段階を明らかにした。これは、サメや硬骨魚などの現生有顎脊椎動物が、板皮類として知られる有顎の甲冑魚類群から出現した段階である。板皮類の多くの顎は、現生有顎脊椎動物のそれとは大きく異なっていた。しかし、今回報告された板皮類のEntelognathusは、全身が甲冑で覆われているが、現生硬骨魚のものに類似した顎骨を持っている。この化石魚類は、我々が顔として認識できるような形態を持つ、知られるうちで最も原始的な動物である。
2013年10月9日号の Nature ハイライト
気候:最初に気候変動の災難を被るのは熱帯である
古生物学:脊椎動物の「顔」の進化
細胞生物学:オートファジーと繊毛形成とのつながり
構造生物学:Na+、K+の細胞膜勾配の構造基盤
物理:量子系を測定して安定化する
物性物理学:準結晶をオーダーする
地球:地球表面で見られる地磁気変動の内幕
細胞:造血幹細胞の階層構造
微生物学:細菌性髄膜炎の病原体は宿主の体温を測る
遺伝:DNAメチル化とDNA複製をつなぐ