Nature ハイライト
創薬:明らかになった死細胞処分機構
Nature 507, 7492
細胞膜に存在するパネキシン1チャネルは、死細胞を取り除く役割を担っている食細胞を誘引するfind-me分子シグナルがアポトーシスを起こした細胞から放出されるのに関わっている。K Ravichandranたちは小型分子を対象とした不偏スクリーニングを行い、キノロン系抗菌薬のトロバフロキサシンが、パネキシン1チャネル活性に直接作用する阻害剤であることを突き止めた。こうした阻害はアポトーシス細胞断片化の調節異常をもたらす。この研究により、アポトーシス細胞の秩序立った解体にパネキシンチャネルが重要な役割を果たすことが確証された。また、この結果によってパネキシン1チャネルと相互作用のないキノロン系抗菌薬についての関心が再び高まるかもしれない。それは、トロバフロキサシンの臨床試験中に生じた独特の毒性が今回の結果によって説明される可能性が出てきたからである。
2014年3月20日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膀胱がんの治療標的を探し出す
発生生物学:骨の成長と血管新生は連動している
創薬:明らかになった死細胞処分機構
宇宙:アンドロメダ座IIに見つかった矮小銀河の合体
磁気圏物理学:地球の放射線帯内の「縞模様」
フォトニクス:フォトニクス技術を搭載したレーダー
環境化学:新生代の炭素収支を釣り合わせる
進化:メラノソームの形態の変化
進化遺伝学:ネアンデルタール人の遺伝子は今
免疫:インターロイキン35による免疫の負の調節