Nature ハイライト
材料科学:跳ね返る水滴
Nature 527, 7576

Credit: T. M. Schutzius, G. Graeber, & D. Poulikakos
自浄表面、防氷表面、凝縮制御表面は、自然界やさまざまな技術において重要である。今回T Schutziusたちは、適切に加工した超疎水性表面上の水滴は低圧環境において、表面の剛性が十分高いにもかかわらず、自発的に浮揚しトランポリンのように跳ね返って「自ら移動」し得ることを示している。こうした挙動は、一見すると熱力学第二法則を破っているようだが、基板に付着し表面のピラー構造が蒸気流を制限している間に、水滴が急速に蒸発して水滴下の圧力が高まることで説明される。この効果は、凍結する際に氷滴を除去することすらでき、水滴と表面の相互作用に関する知見から、表面を合理的に設計してそうした相互作用を思いがけない用途に利用する方法を例証している。
2015年11月5日号の Nature ハイライト
システム生物学:遺伝子制御における位相の調節
微生物学:細菌性バイオフィルム内の効率的な協調
構造生物学:ピエゾ1チャネルの構造
宇宙物理学:初期の原始星進化に見られる質量アウトフロー
量子物理学:捕獲イオン系でのホン–オウ–マンデル効果
高分子化学:手頃な価格のレドックス・フロー電池
材料科学:跳ね返る水滴
有機化学:アルケンのsyn-カルボアミノ化
動物学:成体の性比と性染色体の関連性
神経科学:双極性障害に対するリチウムの有効性を調べるためのiPS細胞モデル